平成30年度函館音楽協会賞および奨励賞 受賞者決定について

函館音楽協会(会員124名)は,平成30年12月13日午後7時より,函館市中央図書館研修室に於いて選考委員会を開催し,平成30年度函館音楽協会賞および奨励賞受賞者を決定しましたので,本日発表いたします。 今年度の各賞受賞者は次のとおりです。

函館音楽協会賞(第29回) 
  小林 節子(こばやし せつこ) 73歳 :声楽
  北斗市立上磯中学校吹奏楽部 :吹奏楽
        (ほくとしりつかみいそちゅうがっこうすいそうがくぶ)

函館音楽協会奨励賞(第56回) 
  佐々木 雅代(ささき まさよ) 40歳 :マリンバ

両賞は,函館市および近郊町村に在住又は存在する個人並びに団体を対象に,毎年前年12月1日から11月末日までの1年間の活動を対象として選考されます。協会賞は,過去からの実績の蓄積,および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業,あるいは活動した個人や団体に授賞します。奨励賞は,当該年度中に作曲並び演奏活動において,意欲的且つ,特筆すべき高水準の実績を示し,郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。

表彰式は平成31年1月20日(日)午後6時より,五島軒本店にて行われ,受賞者には賞状と記念品が授与されます。また,受賞者は,5月25日(土)開催の春季定期演奏会(函館音楽協会主催 於:函館市芸術ホール)において,受賞記念演奏を行う予定です。

平成30年度函館音楽協会選考委員会委員
  市川須磨子             函館音楽協会評議員
  佐々木 茂              函館音楽協会評議員
  宮崎   敏               函館音楽協会評議員
  宍戸 雄一                函館音楽協会会長
  島   聖子              函館音楽協会副会長
  伊藤亜希子             函館音楽協会副会長
  寺井  かえ               函館音楽協会会員 
  橋本  公志              函館音楽協会会員          以上8名


ファイル
  プレスリリース<PDF>
  受賞者写真:小林節子 上磯中吹奏楽部 佐々木雅代


授賞事由
函館音楽協会賞  小林節子(こばやし せつこ)(73歳)声楽

 氏は1975年に函館音楽協会に入会以来、長年にわたり東京に在住し、地方会員として在籍しながらも、「第九」のソロを始め多くの合唱団との共演など活発に活動してきた。更に自ら「グルッポ・ディ・カンターレ」を主宰し、函館に於いても多くの声楽家を育成・輩出するなど、大きな功績を残してきた。門下生に函館市民オペラでソリストを務めるものが多く出るなど、函館の声楽分野のレベル向上に大きく寄与してきた。
 近年、活動拠点を函館に移してからは、正会員として函館音楽協会の春・秋の定期演奏会に意欲的に出演し、函館の声楽界を牽引してきた。
 これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として、高く評価される。

函館音楽協会賞  北斗市立上磯中学校吹奏楽部
    (ほくとしりつかみいそちゅうがっこうすいそうがくぶ):吹奏楽

 上磯中学校吹奏楽部は1959年創部。函館地区吹奏楽コンクールには1962年から出場。A編成では2006年から13年連続で北海道吹奏楽コンクールに出場。2013年には全日本吹奏楽コンクールに初出場し金賞を受賞。2015~2017年も全日本吹奏楽コンクールに於いて金賞を授賞。今年度も同大会に於いて4年連続5度目の金賞を受賞した。
 また、こども音楽コンクール中学校合奏部門においても、2017年、2018年と文部科学大臣賞を受賞する等北海道はもとより全国に於いても大きな評価を得ている。
 全国の吹奏楽指導者の研修の場となっているジャパン・バンドクリニック出演や全国各地での招待演奏、地域での演奏活動等精力的に行っている。これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として高く評価される。

函館音楽協会奨励賞  佐々木 雅代:(ささき まさよ) (40歳) マリンバ

 氏はマリンバ&打楽器奏者として、東京から函館に活動拠点を移し、2015年入会以来ソロ・アンサンブル等で活発な演奏活動しているほか、後進の育成にも専心してきた。
 特に今年度の春・秋両定期演奏会にて函館では初演となる「イリヤーシュ」と「カリタス」を好演。前者は東欧の民族的メロディを情感豊かに歌う一方変拍子を伴ったリズムの作品。後者は繊細で幻想的なモチーフを持った作品。表現の異なる2つの曲でマリンバの持つ音楽的魅力を発信した意欲的且つ高水準の演奏は高く評価できる。
 これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。


受賞者プロフィール資料

協会賞  小林 節子(こばやし せつこ) 声楽

 

 武蔵野音楽大学卒業。読売新人演奏会出演。1959 年HBC 児童音楽コンクール独唱部門最優秀賞。恩賀寿一、沖館朝子、石田栞、疋田生次郎、エットーレ・カンポガリアーニ、ペートレ・ムンテアーヌ、リア・グワリーニ、ロドルフォ・リッチ、ニコラ・ルッチ、エレーナ・オブラツソワの諸氏を始め、国内外の多くの音楽家にも師事。1972 年~ 1975 年、ミラノ・ヴェルディ音楽院、オペラ科、歌曲科に学ぶ。帰国後、函館市民会館大ホールにてリサイタルを行う。1976 年函館音楽協会40周年記念演奏会「農民カンタータ」に出演。モーツァルト及びフォーレ「レクイエム」、バッハ「マニフィカート」、ペルゴレージ「スタバトマーテル」、モーツァルト「モテット」、ベートーヴェン「第九」(1986 年、日本フィルハーモニー 山田一雄指揮)のソロ、オペラでは「小さな煙突掃除屋さん」、「ポントの王ミトルダーテ」、「羊飼いの王様」、「デドとエネアス」等に出演。各主要オーケストラと共演、数多くのオペラコンサートに出演。東京室内オペラ協会、ステファノオペラ劇場、日伊音楽協会、函館音楽協会の演奏会に出演。
 1977 年東京に居を移してから、月に1度の東京―函館往復を12 年間続け、イタリア・ベルカントを伝え、「オペラ・歌曲の夕べ」を開催、後進の育成に力を注ぐ。2011 年より函館に戻る。元、昭和音楽大学短期大学部講師。現在、ミュージックスクール主宰。

協会賞  北斗市立上磯中学校吹奏楽部

 上磯中学校吹奏楽部は,「気迫の音楽を」をモットーに,吹奏楽を通してたくさんの仲間と協力しながら人として成長できる活動を目指しています。
 全日本吹奏楽コンクールには,2013年~2018年までに5回出場し,5回の金賞を受賞しています。また,2014年に日本管楽合奏コンテスト全国大会で最優秀賞を,2016年~2017年には,こども音楽コンクール全国大会で2年連続文部科学大臣奨励賞(全国1位)を,2018年全日本アンサンブルコンテストで金賞を受賞しています。その他,毎年3月の定期演奏会をはじめ,道外への招待演奏,地域の依頼演奏等で年間30以上の行事に参加しています。
 私たちは,地域の皆様をはじめ,たくさんの方々に応援し,支えて頂きながら,大好きな音楽ができることに感謝し,これからも常に自分たちのできる最高の音楽を届けることを目指して頑張っていきたいと思っています。(顧問 中條 淳也)

奨励賞  佐々木 雅代(ささき まさよ) マリンバ

 函館市出身。
 尚美学園短期大学音楽学科打楽器専攻卒業。卒業時、勉学奨励賞、進学奨励賞受賞。卒業演奏会に出演。東京ミュージック&メディアアーツ尚美(現 尚美ミュージックカレッジ専門学校)音楽芸術表現コース打楽器専攻卒業。卒業演奏会出演。同校、コンセルヴァトアールディプロマコース修了。第9回日本クラシック音楽コンクール審査員特別賞。第17回打楽器新人演奏会に出演、新人賞。これまでにマリンバ、打楽器を市川須磨子、小川佳津子の各氏に師事。
 マリンバアンサンブル木精(こだま)、トリコローレマリンバトリオ、ステラ21、各メンバー。Hakodate Music Academy 講師。マリンバ・打楽器教室主宰。
 卒業後、関東を中心に、フリーのマリンバ、打楽器奏者として幅広く演奏活動を行う他、講習会指導講師などの後進の指導にも積極的にあたる。
 2014年に拠点を函館に移し、音楽活動を展開している。