平成24年度 函館音楽協会賞および奨励賞受賞者決定

 函館音楽協会(会員135名)は,平成24年12月22日午後7時より,函館市民会館小会議室に於いて選考委員会を開催し,平成24年度函館音楽協会賞および奨励賞受賞者を決定しましたので,本日発表いたします。
 今年度の各賞受賞者は次の通りです。

函館音楽協会賞(第23回)
石丸 典子 氏
伊藤 亜希子 氏
函館音楽協会奨励賞(第50回)  
中田 久美子 氏
増田 朗子 氏
類家 唯 氏

授賞事由
函館音楽協会賞 石丸 典子氏:
氏は,1987年の全国童謡歌唱コンクール大人の部グランプリ受賞を皮切りに,数々の栄誉に輝きながらも,常に真摯に音楽と向き合いながら情感豊かな歌声で,聴衆を魅了し続けている。函館市民オペラの主要キャストを数多く務めながら,函館をはじめ北海道各地や青森県の様々な教育施設で演奏活動を行い,今年300回を越えた。2010年,函館市の文化芸術アウトリーチ事業のコーディネーターとして,定評のある企画力と創造力を持って,多大な成果をあげられた。今年8月,函館市政90周年記念式典にて国歌を独唱し,その柔らかな響きが,市民に安らぎと活力を与えた。
函館音楽協会賞 伊藤 亜希子氏:
氏は,1995年に留学地フランスより帰国して以来,17年間にわたり郷土函館を拠点とするピアニストとして常に聴衆を魅了する演奏を行っている。数々の受賞歴がその確固たる実力を物語っている。音楽活動の原点に,定期リサイタルを位置づけ,これは13回を迎えてなお進化を続けている。また,自ら教育現場に出向いての演奏,医療施設や福祉施設でのボランティア演奏,昨年からの東日本大震災復興支援演奏等,ピアノを通して社会に貢献する信念の音楽家として,函館市が誇るピアニストと言っても過言ではない。
函館音楽協会奨励賞 中田 久美子氏:
2012年3月4日(財)函館市文化・スポーツ振興財団主催2012スプリングコンサートにおいて,豊かな音楽への愛情と,安定感のある技術を持っての心を打つ演奏が高く評価された。活発な演奏活動は,ソロ演奏に留まらず,デュオ,伴奏,合唱など,多彩な分野に及び,函館の音楽文化振興に大きく貢献している。
函館音楽協会奨励賞 増田 朗子氏:
2012年3月11日のリサイタルにおいて,卓越した構成力と豊かな表現力を持っての,ソロ活動20周年にふさわしく洗練された演奏が高く評価された。現代曲からオペラまで,様々なジャンルの曲を的確な解釈を持って積極的に取り組む演奏家として,今後さらなる飛躍が期待される。
函館音楽協会奨励賞 類家 唯氏:
2012年11月25日の初リサイタルにおいて,才気あふれる企画力と卓越した技術を持っての演奏が高く評価された。幼少からの定評ある優れた演奏は,常に市民を魅了し続けている。郷土に根ざした活動を始めたことにより,これからの函館の音楽文化向上の担い手としてさらに期待は高まるものである。
《平成24年度選考委員》(敬称略)
市川須磨子  函館音楽協会評議員
佐々木 茂  函館音楽協会評議員
寺中 哲二  函館音楽協会評議員
布施谷信子  函館音楽協会評議員
吉田 淳子  函館音楽協会会長
中島 眞之  函館音楽協会副会長
宮崎  敏  函館音楽協会副会長
宍戸 雄一  函館音楽協会幹事
島  聖子  函館音楽協会幹事
伊藤 亜希子 函館音楽協会幹事
 両賞は,函館市および近郊町村に在住又は存在する個人並びに団体を対象に,毎年1月1日から12月末日までの1年間の活動を対象として選考されます。協会賞は,過去からの実績の蓄積,および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業,あるいは活動した個人や団体に授賞します。奨励賞は,当該年度中に作曲並び演奏活動において,意欲的且つ,特筆すべき高水準の実績を示し,郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。
 表彰式は平成25年1月26日(土)午後6時より,五島軒にて行われ,受賞者には賞状と記念品が授与されます。また,受賞者は,平成25年5月25日(土)開催の春季定期演奏会(函館音楽協会主催 於:函館市芸術ホール)において,受賞記念演奏を行う予定です。
 




石丸 典子 写真.jpg函館音楽協会賞
石丸 典子【いしまる のりこ】(55) メゾソプラノ
函館西高校、青森明の星短期大学音楽科卒業。昭和53年より平成14年まで、森町立森中学校、北海道七飯養護学校おしま学園分校、北海道函館養護学校、北海道五稜郭養護学校に勤務する。平成14年6月、石丸典子ピアノ・ヴォーカル教室を開設する。
ベートーヴェン「第九」のアルト・ソリストや合唱団への賛助出演をはじめ、函館市民オペラでは「カルメン」や「アイーダ」のアムネリス、「トロヴァトーレ」のアズチェーナなど主要なキャストを数多く務める。シーボーン・サロンコンサートを5年間で56回開催(延べ入場者数は1,700人)。函館をはじめ、北斗市、森町、江差町、松前町、釧路市、青森市、弘前市、札幌市にてコンサートに出演。学校、保育園、幼稚園、施設等での演奏多数。童謡から叙情歌、ミュージカルナンバーやオペラまで幅広いレパートリーを持ち、その回数は今年300回を超えた。NHK函館放送局開局70周年記念ふるさとマイ・ソング「ふるさとのにおい」を歌う。函館市政80周年及び今年8月の90周年記念式典にて国歌を独唱。
全国童謡歌唱コンクールにて大人の部グランプリ受賞。函館市長賞、函館音楽協会奨励賞、第15回奏楽堂日本歌曲コンクール入選、函館市文化団体協議会青麒章、函館市文化・スポーツ振興財団より益田喜頓賞受賞。
(故)大森清、エステル・バリ、ローランド・パラン、小林節子、松田由理子各氏に師事。現在、道新文化センター講師。石丸典子ピアノ・ヴォーカル教室主宰。


伊藤亜希子 写真.JPG函館音楽協会賞
伊藤 亜希子【いとう あきこ】(45) ピアノ
函館市出身。東京藝術大学附属音楽高等学校、同大学卒業。同大学院修士課程修了。フランス・リヨン国立高等音楽院第3課程(大学院)修了。加茂和子、布施谷信子、遠藤道子、田村宏、堀江孝子、平井丈二郎、ピエール・ポンティエの各氏に師事。
第1回国際ピアノデュオコンクール第2位。第6回日本室内楽コンクール第1位、東京都知事賞を受賞。函館音楽協会奨励賞、函館市文化団体協議会青麒章を受賞。
藝大在学中に日本演奏連盟のオーディションに合格し、第39回日演連推薦新人演奏会にて札幌交響楽団と協演。以降、国内外のオーケストラ、アーティストたちと数多く共演、ソロと室内楽の両分野に渡る幅広い演奏活動を行っている。
ピアノ教室ドルチェ主宰。ヤマハミュージック北海道函館店特別講師。毎日こどもピアノコンクール、ショパン国際ピアノコンクールin ASIA審査員。函館音楽協会幹事。ソリダリテ~音楽で復興を支援する函館演奏家の会~代表。


中田久美子 写真.jpg函館音楽協会奨励賞
中田 久美子【なかた くみこ】(34) ピアノ
函館東高等学校(現市立函館高等学校)卒業。
札幌大谷短期大学音楽科卒業、同専攻科、研究生Ⅱピアノコース修了。独奏の他、声楽、器楽、合唱の伴奏ピアニストとしての活動も多く、積極的に演奏活動を行う。
2012年(財)函館市文化・スポーツ振興財団主催スプリングコンサート「遠藤幸男&中田久美子ジョイントリサイタル」にて、札幌交響楽団ヴィオラ奏者の遠藤幸男氏と共演。第30回、第31回日本ピアノコンクール全国大会入賞。入賞者演奏会に出演。
ピアノを、柴田慶子、小西信麻子、田代慎之介、石田真理、梅本実、後町久子の各氏に、声楽を、島聖子、松田由理子の各氏に師事。
現在、ヤマハミュージック北海道函館店ピアノ科講師。函館音楽協会会員。クレアシオン会員。


増田 朗子 写真.jpg函館音楽協会奨励賞
増田 朗子【ますだ あきこ】(45) ソプラノ
札幌大谷短期大学音楽科声楽コース卒業、同校専攻科音楽声楽コース修了。TBSこども音楽コンクール中学の部重唱部門で全国大会第1位文部大臣奨励賞受賞。札幌大谷短期大学定期演奏会にて独唱。同クランツコンサート歌劇「子どもと魔法」で安楽椅子、リス役で出演。
函館帰省後、函館音楽協会やクレアシオン、函館リコーダーコンソートフィオリ・ムジカーリなどのコンサート、北海道南西沖地震追悼式典にて鎮魂歌を、函館クリスマスファンタジーなどのイベントにソプラノソロとして道南を中心に多数出演。2012年3月にソロ活動20周年記念ソプラノリサイタル開催。
エースプロモーション所属。音楽教室主宰。函館大谷短期大学非常勤講師。合唱団コスモス、新婦人会コーラス「とも笑」各指揮者。ピアノを遠藤道子、横路朋子各氏に、声楽を則竹正人、萩原のり子、高田作造、西井ひろえ、佐々木芳子各氏に師事。


類家 唯 写真.jpg函館音楽協会奨励賞
類家 唯【るいけ ゆい】(28) ピアノ
1984年函館市出身。京都市立芸術大学を卒業後ドイツへ留学し、ハノーファー音楽・演劇大学を卒業。第52回全日本学生音楽コンクール北海道大会中学生の部第2位。第7回AOCC子供の為の海外派遣コンクールピアノ中学生部門最優秀賞及び札幌市教育長賞。1999年、2002年函館市青少年芸術教育奨励事業コンクール音楽の部金賞。第15回吹田音楽コンクールピアノデュオ部門第2位。第6回かずさアカデミア音楽コンクール第1位。同コンクール入賞者演奏会にて山下一史指揮、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉と共演。第2回野島稔・よこすかピアノコンクール最高位。フレッシュ・アーティスツfromヨコスカ シリーズ31にてソロリサイタルを行う。 
これまでにピアノを布施谷信子、伊藤亜希子、宮澤功行、田中宏明、岡田敦子、松田康子、アイナル・スティーン=ネックレベルク各氏に、ピアノデュオを阪田誠康氏に、ソルフェージュを佐々木茂氏に師事。 
函館音楽祭実行委員会代表。函館音楽協会会員。日本ショパン協会北海道支部函館地区会員。クレアシオン会員。ピアノ教室主宰。現在生徒募集中。