「市民会館のこれからを考える会」函館市教育委員会へ要望書提出

hallmain2函館市教育委員会では、函館市民会館の耐震改修について予算などの策定作業に入っております。そこで、市側の一方的な改修にならないよう、昨年、音楽協会・文化団体協議会・はこだて音楽鑑賞協会等18団体が参加し「市民会館のこれからを考える会」を立ち上げ、検討を重ねておりました。

この度、補強・改修にこだわることなく検討をしていただきたいとの内容の要望書を去る平成28年4月13日教育長立ち会いの下、教育委員会に提出いたしました。

ここにその内容を広く周知するため要望書を掲載いたしました。今後の活動にご協力をお願いいたします。

(写真:函館市文化・スポーツ振興財団ホームページより)


平成28年4月13日

函館市教育委員会
教育長 山本真也 様

市民会館のこれからを考える会
代表 宍戸雄一

要 望 書

函館市教育委員会は市民会館の耐震改修について調査を行っていますが、今後改修の詳細を検討されることと思います。その動向は市民会館を使い主催する団体や利用する市民にとって大きな関心事です。そこで利用団体などが「市民会館のこれからを考える会」を昨年発足させ、ここに要望をとりまとめましたので提出いたします。
活発な文化芸術活動は、生き生きとした活力ある社会を築くことにつながります。函館市では、地域の特性を生かしながら、文化芸術の一層の振興を図るため、「函館市文化芸術振興条例」を制定し、文化芸術の振興を図っておりますが、これらの活動拠点となる市民会館がこれからも長く市民が安心して使えるよう、補強・改修にこだわることなく、幅広い視点でご検討くださるよう要望いたします。

第1 大ホールや管理棟それぞれの利用者(主催者)・観客のすべてに関わりがあり、かつ要求度が最も高いもの
1.残してほしい事項
(1) 大ホールの座席数は現状(1370席)を確保してほしい。
○道南地域で規模的に大ホールに代わる施設はなく、全国的・全道的な大会や各種コンクールには欠かせない規模です。
○アリーナでは照明・音響・舞台機能、座席配置等で施設内容がまったく異なるので大ホールの代替えにはなりません。
(2) 管理棟(小ホール、大会議室、展示室等)は現状程度の機能と規模を残してほしい。
○管理棟側の各部屋は個別の利用も高いが、規模の大きな大会や各種コンクールそして出演者の多い発表会では大ホールの楽屋不足から控え室の役割を果たし、一体として使用する場合があります。
2.改善してほしい事項
(1) ロビーと楽屋間の通路の設置
○現在のホールではロビーと楽屋間の移動は客席を通り、そして舞台袖を通らなくてはならず、観客の皆さんの集中力が削がれると共に、出演者の皆さんも暗い中での移動は不便かつ危険です。そのため屋外を移動せざるを得ない場合があり、特に風雪雨時の移動には困難があります。
(2) 楽屋数の数及び拡充
○現在の楽屋は部屋数が不足しているほか、リハーサル室を兼ねる広さがある楽屋が必要です。
○楽屋前にはバレエ・オペラや歌舞伎等の衣装箱を置くスペースもなく、通路も広さが不足しています。
(3) 待合スペースの設置
○大ホールでの催しがある場合、開場前の待合は屋外(展示室下)しかなく、風雪雨時や厳寒期さらに真夏は過酷な状況にあるため、屋内での待合スペースが必要です。
(4) 小ホール・大会議室・展示室の遮音
○音楽やマイクを通した音が漏れることにより利用が制限されるので、遮音が必要です。
3.バリアフリーの考慮事項
(1) ロビー(ホワイエ)や大ホールと管理棟間(展示室下)のレンガ床の改善
○床面の凹凸がひどく、テーブルの移動で大きな音がでるだけでなく、危険ですし、高齢者や車イスの方に負担が多くなっています。またホワイエの資材搬入が危険となっています。
(2) 大ホール2階席(3階)へのエレベーター設置
○高齢者・身障者の来場者は2階(3階)席まで上がって鑑賞することができない状況にあります。
第2 第1の項目に準ずるもの
1.改善してほしい事項
(1) 大ホールの重たい1枚扉の軽量化と二重化
○1枚扉のためホワイエの雑音が会場内で聞こえるほか、重いため高齢者・女性や子どもには負担となっています。2階の場合は場内へ光が入ってしまいます。軽量化・二重化が必要です。
(2) 女性トイレ数の増設
○女性が多い催し物では女性トイレが圧倒的に不足していますので増設が必要です。
(3) 大ホール搬入口駐車場の広さ確保と搬入口に屋根の設置
○広さが充分なく、12トン車の搬入出と車廻しに苦労しています。路面の傾斜と、風雪雨時には雨を凌げない問題があります。
(4) 管理棟(小ホール)側への機材搬入用エレベーター設置
○現在のエレベーターでは入口に運搬車が乗り入れられない不便があり、小ホール等での催しの際は搬入に苦労しています。
(5) 小ホールのスクリーンの更新
○スクリーンに大きな傷があり映画等映像上映に支障があります。
2. バリアフリーの考慮事項
(1) ロビーから舞台・楽屋~楽屋口~道路面の段差解消
第3 要求度は高いが、改修では改善困難と思われ、敷地面積などから将来の「新築」にむけての事項
1.改善してほしい事項
(1) 大ホールの舞台床面積を広くすること。
(2) 大ホールの舞台袖面積を広くすること。
(3) 大ホール舞台額縁の高さを高く取ること。
(4) 大ホールの客席を1500とすること。合わせてロビーを広く取ること。
(5) 大ホール独立した舞台上手・下手間の移動通路の設置
○舞台上手・下手間の出演者の移動は楽屋通路を使っているが、危険でもあるので、楽屋通路とは分離した移動通路が必要です。
(6) 小ホールについても上記5項目に準ずること。
(7) 大ホールに花道の設置
○日本の伝統芸能公演では欠かすことのできないものです。
(8) 管理棟(小ホール)に多目的トイレの設置
○重度の障害者の介助者が必要な場合、大ホール側のトイレ利用は不便です。
2.バリアフリーの考慮事項
(1)明確な車イス席の設置
(2) 小ホール舞台へのスロープ設置
○車椅子利用者がステージに上がることができない状況です。

                                     以上

市民会館のこれからを考える会参加団体
アート・マネージメント ユウ
青山眞理子ダンススタジオ
岡島緑バレエスタジオ
さかいスポーツダンススクール
榊原舞踊静山流詩舞研究所
勝幸恵の会
函館映画鑑賞協会
函館演劇鑑賞会
はこだて音楽鑑賞協会
函館音楽協会
函館合唱連盟
函館こども劇場
函館三曲協会
函館市文化団体協議会
函館ダンスアカデミー
函館地区吹奏楽連盟
函館邦楽舞踊協会
火消し「GENJI」

 

 

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