平成29年度函館音楽協会賞および奨励賞 受賞者決定について

函館音楽協会(会員126名)は,平成29年12月15日午後7時より,函館市中央図書館研修室に於いて選考委員会を開催し,平成29年度函館音楽協会賞および奨励賞受賞者を決定しましたので,本日発表いたします。
今年度の各賞受賞者は次のとおりです。

函館音楽協会賞(第28回)
  森 洋子(58歳) : チェンバロ

函館音楽協会奨励賞(第55回)
  鈴木 麻里(56歳) : 声楽
  辻 真紀子(46歳) : 合唱指導

両賞は,函館市および近郊町村に在住又は存在する個人並びに団体を対象に,毎年前年12月1日から11月末日までの1年間の活動を対象として選考されます。協会賞は,過去からの実績の蓄積,および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業,あるいは活動した個人や団体に授賞します。奨励賞は,当該年度中に作曲並び演奏活動において,意欲的且つ,特筆すべき高水準の実績を示し,郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。

表彰式は平成30年1月28日(日)午後6時より,五島軒本店にて行われ,受賞者には賞状と記念品が授与されます。また,受賞者は,平成30年5月26日(土)開催の春季定期演奏会(函館音楽協会主催 於:函館市芸術ホール)において,受賞記念演奏を行う予定です。


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プレスリリース<PDF>

受賞者写真:森洋子 鈴木麻里 辻真紀子


平成29年度函館音楽協会選考委員会選考委員

市川須磨子 函館音楽協会評議員
佐々木 茂 函館音楽協会評議員
布施谷信子 函館音楽協会評議員
宮崎  敏 函館音楽協会評議員
宍戸 雄一 函館音楽協会会長
島  聖子 函館音楽協会副会長
伊藤亜希子 函館音楽協会副会長
後町 久子 函館音楽協会会員
徳永ふさ子 函館音楽協会会員 以上9名


授賞事由
函館音楽協会賞  森 洋子 氏 (もり ようこ)  チェンバロ

氏は1994年から2006年まで国立音楽大学非常勤講師を務めていたが、1998年以来度々訪れていた函館に2006年より拠点を移して音楽活動を始める。

来函以来、函館音楽協会主催の定期演奏会や公民館マチネ、クレアシオンコンサート、(公財)函館市文化・スポーツ振興財団主催の演奏会などに於いて、チェンバリストとして、ソロ・アンサンブル活動を活発に展開する一方、箱館バロック合奏団を組織するなど、新しい音楽シーンを創り出している。

特に2017年10月に聖ヨハネ教会で開催されたチェンバロ・リサイタルにおいて、バッハ以前のチェンバロ全盛期に活躍した作曲家を取り上げ、演奏機会の少ない作品に新たな光を当てたことは特筆に値する。

またCD「バッハ インヴェンションとシンフォニア」・「Cembalism! チェンバロの冒険」、DVD「いつか見た音」を函館で制作・リリースするなど多彩な活動をしている。これらの活動は郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として高く評価されるものである。

函館音楽協会奨励賞  鈴木 麻里 氏 (すずき まり)  声楽

氏は2013年に入会後、ここ3年ほど春・秋の定期演奏会に出演し、ステージを重ねるごとに技術的にも音楽的に歌唱表現の幅を広げてきた。

2017年10月29日に開催された市民文化祭 函館オペラの会第22回公演 「フィガロの結婚」にキャスト(マルチェリーナ役)として出演。氏にとって初挑戦のオペラにもかかわらず、表情豊かな歌唱とセリフまわしは秀逸であった。特に第3幕では歌唱はもとより、マルチェリーナの心情の変化を上手く表現した演技力は高く評価できる。

これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。

函館音楽協会奨励賞  辻 真紀子 氏 (つじ まきこ)  合唱指導

氏は卓越した指導力で中学生の合唱指導を行ってきた。函館市立深堀中学校・亀田中学校の合唱部を合唱コンクールに於いて全道・全国に導く成績をあげている。

特に2017年1月、こども音楽コンクール中学合唱部門・重唱部門に於いて文部科学大臣奨励賞(全国1位)をダブル受賞の栄誉に輝く。

更に両校の卒業生を中心に一般合唱団「オレンジカルサイトアンサンブル」を立ち上げ、高レベルの演奏活動を続け、函館の合唱音楽振興に寄与している。函館に於いて氏の合唱指導者としての存在感は大きく、これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。


受賞者プロフィール資料
森 洋子(もり ようこ) チェンバロ

福岡女学院高校音楽科、愛知県立芸術大学及び同大学院(ピアノ科)を修了後、桐朋学園大学研究科にてチェンバロを学ぶ。

1991年アメリカ “Southeastern Historical Keyboard Society”主催のチェンバロコンクールで優勝。
1993年アメリカ議会図書館のコンサートシリーズへ招聘。
同年「第7回古楽コンクール山梨 チェンバロ部門」にて第3位。
1994、1998、2000年に東京他でリサイタル開催。
1994年~2006年 国立音楽大学非常勤講師。
2006年函館に移り、チェンバロの魅力を伝えるべく多彩な活動を展開している。
2009 (平成21)年度 函館音楽協会奨励賞。箱館バロック合奏団代表。

鈴木 麻里(すずき まり) 声楽

武蔵野音楽大学音楽学部声楽学科卒業。
声楽を沖館朝子、小林節子、疋田生次郎、ピアノを西田幸子の各氏に師事。学内では栗山和子氏、現在は鈴木比都美氏に師事。オペラ「千軒の悲歌」(1984年函館市文化祭)「うたの調べ~ジョイントコンサート」等に出演。2014年には姉・太田絵里と「ブロッサムコンサート」を開催。2017年函館オペラ「フィガロの結婚」にマルチェリーナ役で出演。

現在、函館大学付属柏稜高等学校教諭。函館音楽協会会員。声楽研究グループ“VOCE”所属。

辻 真紀子(つじ まきこ) 合唱指導

函館市立亀田中学校教諭。函館市出身。函館東高等学校、北海道教育大学函館校中学校音楽課程卒業。幼少時よりピアノを習い、羽賀孝子氏との出逢いで音楽に対する思いが深まり、大学時代の恩師である佐々木茂氏の教授で教職への道を決める。本通中学校合唱部で大坂吉明氏のもと、伴奏者として初めて合唱に携わる。大学時代より徳永ふさ子氏に師事し、氏の教えを若い世代に受け継ぐべく、現在もゲザングリーベ伝習所において研鑽を積んでいる。1999年から活動を始めたEnsemble Morzeでアンサンブルの基礎と奥深さを学ぶ。函館市立深堀中学校合唱部で初めて合唱指揮を行い、NHK全国学校音楽コンクール北海道ブロックコンクールや北海道合唱コンクールにおいて上位入賞を果たす。2016年こども音楽コンクール中学校重唱部門、合唱部門で、ともに文部科学大臣奨励賞(全国1位)を受賞。現在、函館市立亀田中学校合唱部とオレンジカルサイトアンサンブルの指揮を務める。女声アンサンブル・ゲザングリーベ、Ensemble Morzeに所属、21世紀の合唱を考える会 合唱人集団「音楽樹」会員。ピアノを羽賀孝子・岡田照幸、声楽を徳永ふさ子各氏に師事。