平成30年 函館音楽協会 表彰式並び新年会

平成29年度函館音楽協会協会賞・奨励賞表彰式、並びに函館音楽協会新年会が平成30年1月28日(日)午後6時00分より五島軒本店王朝の間において、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り開催されました。
はじめに協会賞・奨励賞表彰式が行われ、伊藤亜希子副会長より受賞事由及び受賞者の紹介、宍戸雄一会長より賞状と副賞が授与されました。ご来賓の函館市教育委員会教育長辻俊行様、(公財)函館市文化・スポーツ振興財団理事長佐々木茂様よりご祝辞を頂いた後、協会賞を受賞された森洋子氏、奨励賞を受賞された鈴木麻里氏、辻真紀子氏より謝辞がありました。
続いて新年会が行われ、島聖子副会長の開会の辞、宍戸雄一会長の挨拶後、函館市文化団体協議会副会長俵祐二様より新年のご挨拶を賜りました。次に乾杯のご発声を北海道新聞函館支社支社長伊藤一哉様より頂き、新年の宴が開始されました。 祝宴後半は会員によるフラッシュモブで盛り上がり、 最後に宮崎敏評議員の指揮と齊藤慶子氏のピアノ伴奏により出席者全員で滝廉太郎作曲「花」を合唱した後、締めの乾杯のご発声を函館新聞社取締役編集局長高久佳也様より頂き、盛況のうちに会を終了いたしました。

森洋子氏、鈴木麻里氏、辻真紀子氏よりお喜びの声を聞かせていただきました


協会賞受賞によせて

このたびは、平成29年度函館音楽協会賞に選出していただき、心より嬉しく、また、恐縮に存じます。
函館出身ではない者がこの町で活動を行って来れましたのも、ひとえに皆様のお力添えによるものと思い、感謝を申し上げます。
 
 私は今から12年前、2006年の春にこちらへ移り住みました。その時には片手で数えられるほどの方しか存じ上げませんでしたし、決まった仕事があるわけでも家族や親戚がいるわけでもなし…というので、皆さんが大変心配してくださり、様々に温かいご配慮をいただきました。ちょうど、その年に行われた函館音楽協会70周年記念演奏会にゲストとして出演させていただき、翌年、入会させていただきました。このことが、まず、私の小さな活動を町の皆さんに広く知っていただくことにつながったと思います。
 また、2006年に始まった「湯の川オンパク」、「公民館マチネ」等に携われたことも大きかったと思います。音楽家として町のことを考え、運動に関わることは、函館を自分の町と思える良い機会になりました。
 「箱館バロック合奏団」につきましては、バロックの演奏様式を学ぶことを柱として2010年に立ち上げました。年一回の定期公演、また、2011年以降は公会堂コンサートへ出演していますが、現在は、通奏低音の理論と奏法を通して、「和声感を身につける」ことを研究しております。

 昨年10月に聖ヨハネ教会で開催されたリサイタルでは、1500年代末期~1600年代初めという古い時代に活躍したイタリアのFrescobaldi等の作品を取り上げました。これらはチェンバロの歴史においては大変重要ですが、取り上げられる機会は多くありません。20数年前に初めてヨーロッパで聴いたいくつかのコンサートは、その頃の日本では考えられないようなマイナーでありながらも、確かなコンセプトがあり、それらを聴衆も生き生きと楽しんでいる様子に感銘を受けました。以来、いつか、こういう演奏会を開けたらと思い続けてきましたので、ご高評をいただき、大変嬉しく励まされました。

 これからも函館を本拠に、チェンバロを通して音楽に携わる輪を広げていけるよう精進致します。
皆様には今後共ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

森 洋子


平成29年度音楽協会奨励賞を受賞して                 
 
 この度は、奨励賞を頂戴いたしまして、心より感謝申し上げます。また、多くの方々より祝福や励ましの言葉をいただき大変嬉しく思っております。
 大学卒業後、函館に戻り教職に就きましたが、結婚後は育児にも追われ、人前で歌うことから自然に遠ざかってしまいました。しかし、数年前よりもう一歌を学びたいとの思いが膨らみ、長いブランクを経て歌のレッスンを再開しました。
 そんな矢先、思いがけず昨年の函館オペラ「フィガロの結婚」でキャストのお話をいただき、始めて出演させていただきました。学生時代より親しんだ「フィガロの結婚」ではありますが、稽古が始まりますと、宝石のような旋律の溢れるモーツァルトの音世界に魅了されました。また、「フィガロの結婚」は階級対立を描いた問題作でもありますが、それ以上に普遍的な「愛」や「赦し」の物語であることを学び、このオペラの奥深さに圧倒される思いでした。そして改めて、22回目となった本公演まで函館オペラ(市民オペラ)に携わって来られた皆様の情熱に敬意を禁じ得ませんでした。
 今回の受賞は「フィガロの結婚」に関わられたすべての方々と共にいただいたものであると感じております。そしてこれまでご指導下さいました先生方、共演者の皆様、関係者の皆様、身近で応援してくれた家族にも心から感謝申し上げます。
 まだまだ未熟ではございますが、少しでも聴き手の心に響くような表現ができるよう、さらに精進して参りたいと考えておりますので、今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

鈴木麻里


奨励賞受賞によせて

このたびは素敵な賞をいただき,とても恐縮するとともに,今まで音楽を通して出逢った全ての方々に,心より感謝申し上げます。
 歌は人の心を温かくしますが,歌うことが好きな生徒もいれば苦手な生徒もいます。苦手な生徒に対しての細かなケアを大切にしながら,合唱教育に携わってきました。特に,変声期の男子は「歌うこと」に対して抵抗がある生徒もいます。また,控えめな女子生徒の中には「声を出すこと」だけで必死な生徒もいます。苦手意識や思春期特有の照れなどで,合唱の楽しさを理解してもらえないのはもったいない!そのような思いから,部活動の中だけではなく,普段の音楽の授業の中でも歌うことの楽しさが伝えられるよう,試行錯誤しながら取り組んでいます。
 生徒は普段何気なく声を出しているため,どのような仕組みで声が出ているのかほとんどの生徒が理解していません。発声の仕組みを正しく理解することで,とても歌いやすくなるものです。息がどのように流れ,声帯がどのような状態になり,どの空間に共鳴し,舌の位置や唇・あご・歯などはどのように使うか等,歌唱の授業の度に繰り返し伝えていくことが大切です。
 姿勢や呼吸法について,実践しながら実際に声を出させ,全校生徒一人一人の声チェックを行っています。声の高さや音色などを把握し,苦手意識を決してもたせないよう,必ず個々の良い点を,改善点があればどのようにすればよいのかを,優しく伝えるようにしています。
 また,合唱集会などで歌い合わせる機会をもち,先輩から後輩へ,明るく厚みのある歌声の引き継ぎができるようにしています。
  「声を出させる」という性質上,生徒の意欲を高め,自分自身がエネルギッシュに,一貫性をもって指導することに徹しています。生徒とたくさんコミュニケーションをとり,信頼関係を築きながら,互いに高め合い,これからも「歌い手も聴き手もあたたかな気持ちであふれるような歌声」を育てたいと思います。諸先輩方のご指導を,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

辻 真紀子

コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。