令和6年函館市文化賞 宮崎加奈古氏受賞 / 令和6年度函館市文化団体協議会青麒章 山本和生氏受章

このたび当会会友、宮崎加奈古氏が令和6年(第75回)函館市文化賞を受賞しました。
函館市文化賞は、函館市の文化の発達に多大な貢献をした個人または団体に贈られる賞で、音楽協会会員の文化賞受賞は平成21年(第60回)受賞の中島眞之氏以来となります。

宮崎加奈古氏は、長きにわたり箏曲の研鑽に努め、これまで他の音楽分野との交流や共演を図り、邦楽の伝統を守りながらも常に新しい分野を開拓し現代邦楽の発展に尽力されたほか、卓越した演奏技術と表現力による演奏活動を通じ、後進の指導育成に努められました。
また、函館市文化芸術アウトリーチ事業ではプログラムの講師として、市内の小中学校に出向き指導と演奏を行っており、日本伝統芸術の普及と伝承に寄与し、函館市文化の向上発展に貢献されたことが評価されました。

そして、当会会員山本和生氏が令和6年度函館市文化団体協議会青麒章を受章しました。
青麒章はこの1年間で特に優れた文化芸術活動を行った個人や団体に贈られます。

山本和生氏は、この一年、東京藝術大学道南ゆかりの同窓生によるコンサートに企画運営に携わり、「黒鍵のための桜」と「ユーフォニアムとピアノの為のノクターン」が演奏されたほか、その他各種演奏会において曲の提供を多数行ってきました。これまでも函館MB混声合唱団や函館市民オーケストラなどにも委嘱作品を提供し、市内の学校の開校に合わせて校歌の作曲を手掛けています。
また、各種コンクールの審査員を務め、音楽家志望者への指導など後進の育成にあたるなど、多岐にわたる活動が評価されました。

この度の受章 心よりお祝い申し上げます。


◇ お二人よりお喜びの声を頂戴いたしました ◇

令和6年 函館市文化賞 宮崎 加奈古氏

函館市文化賞を受賞し身の引き締まる思いでございます。
箏演奏家として歩んだ道を思い返しております。
私が函館音楽協会に入会させていただいたのは昭和55年でした。
故)清水信勝先生に勧められるまま「箏奏者なのに良いのかしら?」という感覚を背負いながらも音楽家の先生達から刺激を受けたいという一心での入会でした。
様々な場面で音楽への真摯な姿勢、洞察力、表現力など 音楽協会会員の皆様から多くを学ばせていただき、私の音楽に対する「熱」の土台となりました。
「箏曲という分野」ではなく「箏という名の十三弦の楽器」として認知してほしいという思いは指導者・演奏者として50年を過ぎた今も変わりません。
令和6年6月に開催した師籍50周年記念演奏会では佐々木茂先生作曲の「二面の箏と十七弦のための三重奏曲」を弾かせていただきました。洋楽の先生の作品には多くの新鮮な学びがあります。新しい発見もありました。
育んでくださった多くの方々に感謝し、これからも「音色と表現」を追求しながら精進してまいります。

令和6年度 函館市文化団体協議会青麒章受章 山本 和生氏

この度、函館市文化団体協議会60周年という節目の年に、青麒章をいただきまして、大変嬉しく光栄に思っております。有志の皆様方からは心温まるお言葉を頂戴しましたこと、心より感謝申し上げます。
今年は、函館近郊にゆかりのある東京藝術大学の先輩方、在学生とともに演奏会を開くことができました。演奏力のみならず、意識の高さ、音楽に向き合う厳しさにも触れ、大きな刺激となりました。在学生をみては、自分の頃とはアプローチも解釈も多様化している現実を受け止める機会となり、時代に沿って、自身も更なる精進をしていかなくてはと、身の引き締まる思いになりました。
また今年は、私が作曲を勉強していきたいと決めた中学生の頃に書いた曲を再演いただける機会があり、忘れかけていた感覚や記憶をたどる時間となりました。そういった折での受章は、私にとって折り返し地点のように感じられます。初心を忘れずに、今まで学び教えていただいたことを、これからは広く音楽を志す方々に還元できるよう努力していきたいと思います。
今後とも皆さまのご指導をいただけますようどうぞよろしくお願い致します。