平成21年度 函館音楽協会 協会賞および奨励賞受賞者決定

平成21年函館音楽協会協会賞・奨励賞については、平成21年12月26日函館市芸術ホール会議室において、長時間にわたり審議を執り行った結果、以下のように決定しましたので、発表します。

函館音楽協会 協会賞: 市川須磨子
                函館市民オペラの会
函館音楽協会 奨励賞: 森 洋子
                高 実希子

受賞事由
函館音楽協会賞 市川須磨子 :氏は永年に亘り、マリンバ奏者として函館音楽協会主催コンサートをはじめソロやアンサンブルで多彩に活動、国内外のプロ演奏家とのコラボレーションをも実現したニューアーティストの先駆者であり、また近年の、学校教育現場に生の音楽を提供する地道な活動は高く評価されるものである。函館音楽協会会長、函館市文化団体協議会副会長を務めるなど、函館の音楽文化の発展に大きく貢献された。
函館音楽協会賞 函館市民オペラの会 :函館の文化の発展に貢献すべく1990年に発足し、20年に亘り欠かさず公演を続け、多くの人材を育てながら、フルオーケストラの演奏、フルセットの舞台のスタンスを守りながら函館市民に生のオペラの素晴らしさを提供し、函館の音楽文化の向上推進に大きく貢献された。
函館音楽協会奨励賞 森 洋子 :氏はチェンバリストとして近年意欲的に演奏活動を展開し、平成21年度春季定期演奏会及び秋季定期演奏会などで卓越した演奏が高い評価を得るとともに、函館の音楽活動の推進力となった。
函館音楽協会奨励賞 髙 実希子 :氏はピアニストとして近年意慾的に演奏活動を展開し、平成21年11月の函館市民オーケストラ創立30周年記念演奏会で瑞々しい演奏が高い評価を得るとともに、函館の音楽活動の推進力となった。
平成21年選考委員会名簿
委員長 吉田淳子(会長)
委員 市川須磨子・佐々木茂・清水信勝・寺中哲二・布施谷信子(評議員)
   中島眞之・宮崎敏(副会長)
   木村雅子・宍戸雄一・徳永ふさ子(平成21年度委嘱委員)
両賞は,函館市及び近郊町村に在住又は存在する個人並びに団体を対象に,毎年1月1日から12月末日までの1年間の活動を対象として選考されます。協会賞は,過去からの実績の蓄積,および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業,あるいは活動した個人や団体に授賞します。奨励賞は,当該年度中に作曲並びに演奏活動において,意欲的且つ,特筆すべき高水準の実績を示し,郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。両賞とも昭和36年(昭和37年授賞)に選考を開始しました。
受賞式は平成22年1月23日(土)午後6時より,五島軒にて行われ,受賞者には賞状、記念品と副賞が授与されます。また,受賞者は,平成22年6月18日(金)開催函館音楽協会 ガラコンサート(主催:函館音楽協会、於:函館市民会館大ホール)において受賞記念演奏を行う予定です。




資料
カルメン.jpgプロフィール 函館市民オペラの会
■創立年月日
平成2年7月26日
■目 的
オペラの公演を通じて、函館におけるオペラの普及、発展につとめる
■特 徴
会員がすべて地元の有志で構成され、その中から選任された運営委員によって公演や活動に関する
企画や運営方法を検討し、総会で決定している。
公演規模も、フルオーケストラ、フルセットのステージ、時代考証に基づく衣装。メイク、ダブルキ
ャストに混声合唱、そしてそれらの出演者・スタッフに加え、脚本。指揮・演出も全て地元のアマチュ
アで構成されており、他のアマチュア団体には例を見ない活動内容・運営組織となっている。
■受賞実績
平成13年2月 平成12年度 北海道地域文化選奨特別賞(北海道より)
■公演実績
本公演の公演履歴(他にオペラ研究室としての公演が4回あり)
operahistory2.jpg
【公演形態】
○…函館市民文化祭として公演 会場 函館市民会館大ホール(客席定員1200名・数字は公演回数)
◎…函館市民文化祭として公演 会場 函館市芸術ホール (客席定員 700名・数字は公演回数)
△…自主公演として公演 会場 函館市民会館大ホール(客席定員1200名・数字は公演回数)
☆…自主公演として公演 会場 函館市芸術ホール (客席定員 700名・数字は公演回数)__
■事務局
財団法人函館市文化・スポーツ振興財団(函館市民会館内)


資料
市川須磨子 写真.jpgプロフィール 市川 須磨子(マリンバ)
「マリンバはこだて」を主宰し後進の指導に当たると共に、リサイタルシリーズ「マリンバエレガンス」の開催をはじめ、門下生を中心に結成した「アンサンブル木精」と共に文化行事や学校公演などに意欲的に取り組み、ソロ・アンサンブル両面での活動を幅広く展開。
近年の主な活動としては、1999年から2008年まで、実行委員長として「打楽器の世界」を企画・開催し、函館圏のマリンバをはじめとする打楽器音楽の発展・振興に務める。
2002年及び2003年、世界的マリンバ奏者 安倍圭子氏を迎えてのコンサートを函館市芸術ホールにて開催・共演。
2007年、カナダの世界的打楽器奏者 ボブ・ベッカー氏のジャパンツアーコンサートにアンサンブルメンバーとして参加、函館を始め国内7カ所で共演。
2009年、日本マリンバ界のトップコンサート「朝吹記念マリンバ・フェスティバル」に出演。
1984年度 函館音楽協会奨励賞受賞(個人)
1999年度 函館市文化団体協議会青麒章受章(個人)
2000年度 函館音楽協会奨励賞受賞(アンサンブル木精)
現在、日本木琴協会賛助会員及び函館支部長
北海道打楽器協会理事
函館音楽協会評議員
函館市文化団体協議会評議員


資料
森 洋子 写真.jpg森 洋子(チェンバロ)
福岡市出身。福岡女学院高校音楽科、愛知県立芸術大学及び大学院(ピアノ科)を経て
桐朋学園大学研究科古楽器科修了。
チェンバロ奏法を有田千代子氏に師事。また、グレン・ウィルソン、ロベール・コーネン、ケネス・ギルバートの各氏より指導を受ける。
イェスパー・クリステンセン氏の通奏低音奏法講座、エドアルド・ベロッティ氏の即興演奏講座を受講し、研鑽を積む。
1991年、アメリカ、Southeastern Historical Keyboard Society主催のチェンバロコンクールで優勝。
’93年、アメリカ議会図書館のコンサートシリーズに招かれる。
同年「第7回古楽コンクール〈山梨〉(チェンバロ部門)」にて第3位を受賞。
’94年、’98年、2000年に東京他でチェンバロリサイタルを開催。
’00年NHK-FM局「朝のバロック」、’02年同局「FMリサイタル」に出演。
同時に、アンサンブルでも東京を中心に活発な活動を展開。
オラトリオ、受難曲などの通奏低音奏者として内外の指揮者から高い評価を受ける。
’94年より’06年まで国立音楽大学非常勤講師(通奏低音、チェンバロ奏法担当)を務める。
’06年より函館に本拠を移す。
函館メサイア合唱団、函館市民オペラ、芸術ホールオーケストラ等に通奏低音奏者として招かれる。
また、ソリストとしては函館音楽協会定期演奏会、公民館マチネ、オンパク、土曜の夜の音楽会、レストラン「ブランヴェール」での「音楽と食事の夕べ」、
洋琴庭ライヴ等に定期的に出演する。
「オンパク~香雪園茶亭」、重要文化財「太刀川家」等函館ならではの歴史的な建物での演奏、ジャンルを超えたユニット”Cembalism !”の結成、
バロック音楽の演奏慣習を学ぶ「通奏低音塾」の主宰を通してチェンバロの魅力を伝えることに力を注いでいる。
CD「バッハ インヴェンションとシンフォニア全曲」、「Cembalism !チェンバロの冒険」、
DVD「いつか見た音」を函館にて制作、リリース。
函館音楽協会会員、公民館マチネ運営委員、ハコケン(函館鍵盤楽器研究会)メンバー。


資料
髙 実希子 写真.jpg高 実希子(ピアノ)
1983年函館市生まれ。北海道教育大学附属函館小・中学校卒業後、桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻を首席で卒業。
2004年パリ国立高等音楽院に審査員満場一致で入学し、世界的なピアニストであり、教育者であるジャック・ルヴィエ氏の元、4年間師事し、(財)ロームミュージックファンデーション奨学生として、2008年パリ国立高等音楽院卒業。現在、函館短期大学非常勤講師。函館・東京・パリを中心に、ピアノソロ・室内楽(パリ音楽院生によるピアノカルテットjacob)のコンサート等で活動中。
これまで「ショパン国際ピアノコンクールin ASIA」大学生部門最高位、第4回「安川加壽子記念コンクール」ファイナリスト。21世紀ピアノコンクール第1位、2008年フランスで行われた「イル・ド・フランス国際ピアノコンクール」においてドビュッシー特別賞受賞。
函館音楽協会、クレアシオン、(社)日本演奏連盟会員。