令和元年度函館音楽協会賞および奨励賞 受賞者決定について

函館音楽協会(会員126名)は,令和元年12月12日午後7時より,函館市中央図書館研修室に於いて選考委員会を開催し,令和元年度函館音楽協会賞および奨励賞受賞者を決定しましたので発表いたします。
令和元年度の各賞受賞者は次のとおりです。


函館音楽協会賞(第30回)
大村 義美(おおむら よしみ)72歳 : 声楽

函館音楽協会奨励賞(第57回)
今川 正吾(いまがわ しょうご) 49歳 :フルート
金木 彩子(かなき あやこ) 47歳 :声楽
蓑田 なつき(みのだ なつき) 34歳 :ピアノ


両賞は,函館市および近郊町村に在住又は存在する個人並びに団体を対象に,毎年前年12月1日から11月末日までの1年間の活動を対象として選考されます。
協会賞は,過去からの実績の蓄積,および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業,あるいは活動した個人や団体に授賞します。
奨励賞は,当該年度中に作曲並び演奏活動において,意欲的且つ,特筆すべき高水準の実績を示し,郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。
表彰式は令和2年1月26日(日)午後6時より,五島軒本店にて行われ,受賞者には賞状と記念品が授与されます。
また,受賞者は,5月24日(日)開催の春季定期演奏会(函館音楽協会主催 於:函館市芸術ホール)において,受賞記念演奏を行う予定です。

令和元年度函館音楽協会選考委員会委員
市川須磨子  函館音楽協会評議員
佐々木 茂  函館音楽協会評議員
宮崎   敏  函館音楽協会評議員
宍戸 雄一  函館音楽協会会長
島   聖子  函館音楽協会副会長
伊藤亜希子  函館音楽協会副会長
武井  佳子  函館音楽協会会員
畑野  祥子  函館音楽協会会員
松石   隆  函館音楽協会会員 以上9名


ファイル  プレスリリース <PDF>

受賞者写真: 大村義美 今川正吾 金木彩子 蓑田なつき


授賞事由


函館音楽協会賞 大村 義美(おおむら よしみ) : 声楽

氏は2006年に函館音楽協会に入会。それ以前の大半は道内の高校の音楽教師として勤務する傍ら、札幌市をはじめ全道各地でリサイタルや各種コンサートに出演するなど積極的に音楽活動をしてきた。
函館に於いてもベートーヴェン作曲交響曲第9番のテノールソロを担当。市民オペラのトゥーランドット・天国と地獄・トロヴァトーレ・リゴレットの主要キャストとして出演するなど幅広く声楽家として活動されてきた。
一方指導者として、平成6年第47回全日本合唱コンクール北海道支部大会に於いて、室蘭女声合唱団コールハーモニーを指揮し、金賞を受賞するなど活躍し、函館でも合唱指揮者として函館MB混声合唱団の指揮者を長年務めてきた。
特筆すべきは、2019年6月に公民館でのチャリティ・ジョイントコンサート『にほんごのうた』や、函館音楽協会の秋季定期演奏会では明瞭な日本語の発声と卓越した技量で歌い上げ、聴衆を魅了した。
これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として、高く評価される。

函館音楽協会奨励賞 今川 正吾(いまがわ しょうご)  :フルート

氏はフルート奏者として函館音楽協会の会員としての活動の他、市民オーケストラ・函館オペラ管弦楽団・クレアシオンに所属し、意欲的に演奏活動をしている。
今年度の函館音楽協会春・秋両定期演奏会では高いクオリティーの演奏を披露している。特に2019年11月24日秋季定期演奏会での平尾貴四男作曲『フルートとピアノのためのソナチネ』は、曲想をよく推敲された表現と、豊かで繊細な音色によって演奏され、品よく日本情緒を感じさせる作品となって会場に響き、聴衆を魅了した。
これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。

函館音楽協会奨励賞 金木 彩子(かなき あやこ)  :声楽

氏は函館音楽協会の定期演奏会を始め、合唱団でのソリストやアンサンブル活動にも積極的に関わり、ここ数年の著しい進歩が感じられる。
特に2019年11月17日(日)に開催された函館市民文化祭に於いては、函館オペラの会第23回公演 喜歌劇「こうもり」でのアデーレ役を好演した。明瞭な発音と明るく艶のある発声で多くの共感を呼び、更に曲想を見事にとらえた素晴らしい表現力で聴衆を惹きつけたことは高く評価できる。
これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。

函館音楽協会奨励賞 蓑田 なつき(みのだ なつき)  :ピアノ

氏は2012年に入会以来、独奏・伴奏・アンサンブルと幅広く活動してきたが、いつも卓越した音楽性と確かな技術で、共演者と作り上げる表現力をよりアップさせてきたピアニストである。特にその成果として上磯中学校合唱部の全国大会出場に伴奏者として大きく貢献したことがあげられる。また2019年3月の公民館コンサートではベートーヴェンからラヴェルまでの古典派から近代までの作曲家の作品を、確かなテクニックに裏付けされた心に届く演奏を披露したことが高く評価された
これからの函館の音楽文化振興の担い手として期待は大きい。


受賞者プロフィール資料


協会賞 大村 義美(おおむら よしみ) : 声楽

北海道函館西高等学校、北海道教育大学函館分校中学校教員養成課程音楽科を経て東京藝術大学音楽学部声楽科(テノール専攻)卒業。声楽を佐藤金一、会澤義雄、渡辺高乃助、高丈二各氏に師事。卒業後、北海道高等学校教員として6校に勤務する。札幌市をはじめ道内各地においてベートーヴェン交響曲第9番、各種ミサ曲、カンタータ等合唱曲にソロで出演。函館市民オペラでは「トゥーランドット」のカラフ王子、「トロバトーレ」のマンリーコ(タイトルロール)、「リゴレット」のマントヴァ公爵等、主要キャストを演じる。網走、熊石、函館、室蘭の各地にてリサイタルを実施。2012年5月には函館市芸術ホールにおいて函館MB混声合唱団をバックに、ソロ活動の集大成となる「ある男の最後のリサイタル」を公演。室蘭女声合唱団「コールハーモニー」、室蘭男声合唱団「Primo」、古平女声コーラス「ハイミッシュコール」、函館MB混声合唱団の指揮者を歴任。2019年6月30日(土)、函館市公民館にて市中の作曲家田中多江子氏と「にほんごのうた」というタイトルのチャリティー・ジョイントコンサートを開催。
現在、函館MB混声合唱団顧問。函館音楽協会会員。アンサンブル・フェリーチェ団員。函館市文化芸術アウトリーチ事業コーディネーター。声楽家。

奨励賞 今川 正吾(いまがわ しょうご)  :フルート

1970年北海道帯広市生まれ。1996年北海道大学医学部卒業、2006年同大学大学院博士課程修了。フルートを小松昭五、中山耕一、阿部博光の各氏に師事。つべつ日本フィルセミナーにおいて立川和男、真鍋恵子、森圭吾の各氏にオーケストラにおける合奏法を学ぶ。これまでに札幌西区オーケストラ、釧路交響楽団、釧路カンマーアンサンブル、函館市民オーケストラ、函館音楽祭記念オーケストラ、函館オペラの会など道内各地のオーケストラで演奏活動を行う。2012年釧路交響楽団定期演奏会でモーツァルト/フルート協奏曲ニ長調を共演し好評を博す。近年は函館市を拠点に、Le Lapisへの賛助出演などジャンルにとらわれない多彩な演奏活動を意欲的に展開している。
クレアシオン、函館音楽協会、札幌フルート協会、日本フルート協会各会員。独立行政法人国立病院機構函館病院循環器科部長。

奨励賞 金木 彩子(かなき あやこ)  :声楽

函館中部高等学校卒業。北海道教育大学函館校中学校教員養成課程音楽科卒業。
久保和恵、布施谷信子、大森清、鈴木比都美各氏に師事。オペラ『千軒の悲歌』(1984年函館市文化祭)童役、函館市民オペラ 第2回公演『フィガロの結婚』花娘役、函館オペラの会第23回公演 喜歌劇「こうもり」アデーレ役で出演。旧函館区公会堂コンサート、公民館マチネ、財団出前コンサート、~うたの調べ~ジョイントコンサート等出演。声楽研究グループ“VOCE”所属。ヴォーカルアンサンブル・ノイン メンバー。函館MB混声合唱団特別団員。クレアシオン会員、函館音楽協会幹事。現在、北海道函館聾学校幼稚部教諭。

奨励賞 蓑田 なつき(みのだ なつき)  :ピアノ

熊本県出身。京都市立芸術大学を卒業後、ドイツへ留学しカールスルーエ音楽大学を経て、ハノーファー音楽・演劇大学大学院を修了。ドイツ国内にて東日本大震災チャリティーコンサートを行う。2012年より函館在住。2013年ピアニスト高実希子とDuo Noirを結成。2014年単独コンサートを開催。ピアノデュオ「川口兄弟」と函館と東京で公演を行う。
2019年公民館コンサートに出演。2020年1月♭ふらっとコンサートに出演。現在ソロ、合唱伴奏、室内楽と幅広く活動している。クレアシオン、函館音楽協会各会員。