
5月29日(日)13:00より、函館市芸術ホールに於いて令和4年度函館音楽協会春季定期演奏会が開催されました。
春季定期演奏会は前年の演奏活動等において、郷土の音楽文化向上の推進力となった個人・団体に贈られる函館音楽協会賞ならびに奨励賞受賞者の受賞記念演奏会も兼ねています。
今回は一般10組、令和3年度受賞者として協会賞に橋本公志氏(サクソフォーン)、奨励賞に佐々木花菜氏(フルート)の計2組、合計12組が出演しました。ピアノ、ソプラノ、テノール、バリトン、フルート、サクソフォーンによる独奏やアンサンブルのステージに会場内は色彩豊かな音色に包まれました。
奨励賞受賞の佐々木花菜氏は、フランスの作曲家フォーレとデュティユーの作品を躍動感あふれる華やかな音色で披露しました。
また、協会賞受賞の橋本公志氏は、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの各サクソフォーンを持ち替えながら、ピアソラ作曲のリベルタンゴなど4曲を披露。抒情的なメロディーを情感たっぷりに歌い上げ、会場を魅了しました。
会場には300名近いお客様にお越しいただきました。新型コロナ対策のため「ブラボー」などの声がけはお控え頂く中、その代わりのように会場内は演奏後真っ先に拍手が飛んで、聴き手の想いを形にしていたようでした。
withコロナ時代の新しい演奏会様式の定着により、これからより多くの皆さまに音楽をお届けできることを願っています。
受賞者の皆様よりコメントをお寄せいただきました。
◆ 令和3年度函館音楽協会賞 橋本公志氏

函館音楽協会賞を受賞にあたり一言お礼の言葉をのべさせていただきます。
この度は、私自身、サクソフォーンと出会って60年目という記念すべき年に、この名誉ある賞を頂きましたことを大変嬉しく思っております。これも皆様方のご支援とご協力の賜物と思い、心から感謝と御礼を申し上げます。
顧みますと、私がサクソフォーンと出会ったのは12歳中学1年生の吹奏楽部の時でした。それからこの楽器に魅せられ、いまだにお付き合いをしております。これからも身体の続く限り、更にクラシカルサクソフォーン音楽の普及や子供たちの指導などに関わっていきたいと考えております。ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
最後になりますが、このコロナ禍で大変な時期にも関わらず、今回の受賞に当たり、お世話になりました、函館音楽協会の皆様、吹奏楽連盟の皆様のご多幸をお祈りし、受賞に際してのご挨拶とさせていただきます。この度は本当に有難うございました。
◆ 令和3年度函館音楽協会賞 堀川眞智子氏

この度の思いがけない協会賞受賞に大変驚きました。
私は、函館MB混声合唱団の創立者である(故)石見普二男先生との出会いから、団の合唱ピアニストに携わり多くの人とのふれあいの中、楽しく音楽活動を経験させていただきました。当初先生が口にされていた“たかが合唱、されど合唱”この言葉に感化され、合唱とピアノ伴奏と共により美しいハーモニーを求めて練習に励んでおりましたが、そのころは私自身のピアノのレッスンの為、毎月東京の黒沼幸子先生のお宅へ通ってもおりましたから、少し大変だった思いも残っております。
しかし、全日本合唱コンクール全国大会に幾回も出場する機会を与えていただいた中で、各団体のピアノ伴奏を耳にする事ができ、私にとりましては大変貴重な勉強の時間でもありました。それらの事が積み重なって音楽活動を続け、現函館男声合唱団発足時に伴奏者として乞われて函館男声合唱団との時を重ねて来たような気がいたします。
この度の受賞は、数多くの人方との出会いによって積み重ねられた事によりいただくものと思い、皆様に心より深く感謝申し上げます。
◆ 令和3年度函館音楽協会奨励賞 佐々木花菜氏

この度は、函館音楽協会奨励賞を頂戴しましたこと、心より御礼申し上げます。
受賞記念演奏では、私が留学していたフランスの作曲家の作品を選曲しました。さまざまな景色を思い浮かべながら、また生まれ育った場所でたくさんの方々に囲まれながらのステージは、深く記憶に残る幸せな時間となりました。支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。
振り返ると、小学校3年生の頃にフルートに憧れて吹奏楽部に入部し、先輩が演奏するフルートの音色に近づきたいと必死に練習した時も、ペーター=ルーカス・グラーフのCDを繰り返し聴いて研究した日々も、私の原動力は常に「憧れ」でした。そして今もなお、どんなに演奏機会を重ねても、音楽への憧れは変わらず私の心の中にあるままです。
コロナウイルスの影響で思うように活動を広げられず、もどかしさを感じたこともありましたが、音楽協会の方々をはじめ、たくさんの出会いやご縁のお陰で今活動し続けることができています。
これからも生の音楽をお届けすること、そして希望を持った若い世代に音楽の素晴らしさを伝えていけるよう邁進していきたいと思っております。
今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
◆ 令和3年度函館音楽協会奨励賞 白岩優拓氏

この度は、このような大きな賞を頂くことができ、本当に光栄に思っております。表彰式や受賞者記念演奏会と、どちらも私情により欠席してしまい大変失礼いたしました。
私は道南で生まれ、音楽をはじめ、途中道南をはなれ大学へ行きましたが、また道南に戻り、音楽を続けております。
5歳で電子オルガンをはじめ、高校の吹奏楽部で打楽器を担当し、音楽大学受験のためにピアノ、声楽、ソルフェージュを学びました。大学入学後に、副科でフルートをはじめ、今も続けています。
実は大学入学時、私は作曲専攻ではありませんでした。私の師の一人でもある古川聖先生のアナリーゼの授業で、O.メシアンの作品を分析した時のことです。その音である「意味」、その音価である「意味」、その強弱である「意味」。楽譜のすべてに「意味」が込められていることを知った時に、作曲を専門的に学びたいと考え、転科し作曲を学びはじめました。
今後もこの頂いた賞に恥じないような音楽活動を行っていきたいと考えております。
この度は、本当にありがとうございました。



令和4年度函館音楽協会春季定期演奏会 令和3年度函館音楽協会賞・奨励賞受賞記念演奏会
Ⅰ.一滴の涙 / G.ドニゼッティ
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より 岩のように動かずに / W.A.モーツァルト
Soprano : 鈴木 亜衣
Piano : 後町 久子
Ⅱ.ピアノソナタ 第4番 Op.30 / A.スクリャービン
Piano : 吉田 幸代
Ⅲ.私は心に感じる / A.スカルラッティ
薔薇 / F.トスティ
歌劇「友人フリッツ」より この僅かな花を / P.マスカーニ
Soprano : 山 栄理子
Piano : 伊藤亜希子
Ⅳ.アヴェ マリア / J.アルカデルト
アヴェ マリア / C.サン=サーンス
アヴェ マリア / A.ドヴォルザーク
Soprano : 室田 実希
Piano : 木村 佳子
Ⅴ.カノン風ソナチネ Op.31-3 / P.ヒンデミット
FluteⅠ : 水上知歩
FluteⅡ : 松石 隆
Ⅵ.ピアノソナタ K.457より第1楽章 第3楽章 / W.A.モーツァルト
Piano : 太田 絵里
Ⅶ.勝利だ、私の心よ / G.カリッシミ
お六娘 林 柳波 詩 / 橋本國彦 曲
Soprano : 鈴木 麻里
Piano : 高橋 セリカ
Ⅷ. 即興曲 第3番 Op.51 / F.ショパン
8つの演奏会用エチュード Op.40より 第6番パストラール 第8番フィナーレ / N.カプースチン
Piano : 畑中一映
Ⅸ. 笛吹き達 Op.27 パン、ティティール、クリシュナ、ドゥ・ラ・ペジョディ氏 / A.ルーセル
Flute : 今川 正吾
Piano : 類家 唯
Ⅹ. アヴェ ヴェルム コルプス / W.A.モーツァルト
アヴェ マリア / G.ドニゼッティ
天使のパン / C.フランク
FeliceG×2
Tenor : 大村 義美
Bariton: 木村 映之
Piano : 関 悌
◇ 函館音楽協会奨励賞受賞記念演奏 ◇
幻想曲 Op.79 / G.フォーレ
フルートとピアノのためのソナチネ / H.デュティユー
Flute : 佐々木花菜
Piano : 類家 唯
◇ 函館音楽協会賞受賞記念演奏 ◇
密の味 B.スコット、R.マーロウ / 石川亮太 編曲
セレナーデ ヴァリエ / R.クレリス
リベルタンゴ A.ピアソラ / 啼鵬編曲
シーガル / 真島俊夫
Saxophone : 橋本公志
Piano : 伊藤亜希子
令和4年度函館音楽協会春季定期演奏会
令和3年度函館音楽協会賞・奨励賞 受賞記念演奏会
日時:令和4年5月29日(日) 12時15分開場 13時00分開演
会場:函館市芸術ホール
チケット:一般1000円 学生500円(中学生以下無料)
チケットご予約/お問合せ:080-6859-8462(事前予約推奨/当日券もあり)
後援
函館市 函館市教育委員会 公益財団法人函館市文化・スポーツ振興財団
函館市文化団体協議会 (株)河合楽器製作所函館ショップ
(株)ヤマハミュージックリテイリング函館店 北海道新聞函館支社 函館新聞社
NHK函館放送局 FMいるか NCV函館センター