令和5年度函館音楽協会春季定期演奏会/令和4年度函館音楽協会賞受賞記念演奏会

5月28日(日)13:00より、函館市芸術ホールに於いて令和5年度函館音楽協会春季定期演奏会および令和4年度函館音楽協会賞受賞記念演奏会が開催されました。
定期演奏会は当会会員の研鑽の場として春と秋に年二回開催しており、春季定期演奏会は長年の演奏活動等において郷土の音楽文化向上の推進力となった個人・団体に贈られる協会賞受賞者の受賞記念演奏会も兼ねています。
今回は一般11組、令和4年度協会賞受賞者として久保悦子氏(ピアノ)、寺井かえ氏(ピアノ)の2組、計13組が出演しました。

リコーダー、ソプラノ、ピアノ、フルート、チェンバロ、ヴァイオリン、チェロ、女声アンサンブル、マリンバと、会場内は色彩豊かな音色に包まれました。
協会賞受賞記念演奏では、まず久保悦子氏がガーシュウィン作曲の「ラプソディ・イン・ブルー」をマリンバとのオリジナルアレンジで披露し、躍動感あふれるリズムとマリンバとの絶妙なコンビネーションで魅了しました。
続いて寺井かえ氏はノヴァーク作曲の「ピアノ三重奏曲」をヴァイオリン、チェロとともに披露しました。迫力ある重厚な響きに会場全体が包まれ、演奏終了時には両者ともにブラボーの声とたくさんの祝福の拍手が送られました。

コロナ5類移行後、初めての主催事業となりましたが、会場には400名ほどのお客様にお越し頂きました。
あいにくの雨天のなか駐車場待ちの車列も長くなりましたが、当日券でご入場されたお客様も多くいらっしゃり、おかげさまで盛会にて終了できましたことを御礼申し上げます。

受賞者の皆様よりコメントをお寄せいただきました。

◇ 令和4年度函館音楽協会賞 久保悦子氏

この度は、函館音楽協会賞という素晴らしい賞を頂戴し、心よりお礼申し上げます。
思いもよらぬ受賞でしたが、音楽教室の講師となり35年の節目となる年に、これまでの積み重ねを評価して頂きましたことは、大変嬉しく光栄に思っております。
音楽教室では、厳しくも温かくご指導くださる先輩方や良き仲間に恵まれました。教えることで学び、その学びをまた教えに活かす…指導はその連続でした。いつの時も、私を突き動かしていたのは、音楽への強い憧れと音楽の力、そして、生徒一人ひとりの持つ大きな力を信じる心であったように思います。常に勉強、成長出来る場があることに深く感謝しております。
教える傍ら、自身の演奏活動も続け、伴奏、共演の機会をたくさん頂きました。記念演奏会で共演させて頂きましたマリンバ奏者・市川須磨子先生には、19年という長い時を重ねさせて頂き、感謝に堪えません。とりわけ、記念演奏会に向けては、アレンジから練習まで、短期間ながらも大変贅沢で濃密な時間を頂きました。多くの皆さまに見守って頂いたそのステージは、生涯忘れられない幸せな時間となりました。これまで長きに渡り支えてくださった皆さまには、心より感謝申し上げます。
音楽の道はまだまだ続きます。尊敬する協会の諸先輩方の背中を追いかけながら、心新たに音楽の道を邁進いたします。今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、盛大な表彰式から記念演奏会までをご準備くださった協会の皆さまに、深くお礼申し上げます。                
この度は、誠にありがとうございました。

◇ 令和4年度函館音楽協会賞 寺井かえ氏

この度は、音楽協会賞という身に余る賞をいただき大変光栄に思います。
しかも、私が長年ライフワークとしている「マイナー作曲家の名曲発掘」が授賞事由と知った時は大変驚き又嬉しく思いました。カリヨン94号でマイナー作曲家への思いを切々と語りましたので、私が何故マイナー作曲家の作品を弾くのかは、ご理解いただけたと思います。
今回の受賞記念演奏もチェコのマイナー作曲家ヴィーチェスラフ・ノヴァーク(ブルックナー作品の校訂で有名なオーストリアのノヴァークとは別人です)のピアノ三重奏曲を演奏させていただきました。ドヴォルザークに師事、ブラームスに認められ、ドイツロマン派に国民楽派的様式とモラヴィア民族音楽の要素を取り入れたノヴァークのこの曲は、哀愁と特徴的なリズムでどこか懐かしさも感じられる曲で、複数の方から「初めて聴いたけど良い曲だね」と感想をいただきノヴァークも喜んでいることと思います。世の中には音楽だけでなく美術、文学その他の分野にも、もっと評価されてもいいものがたくさんあります。私は僭越ながらピアノで1曲でも多くの作品を紹介できればと思っております。今回の受賞は恩師である山岸淑子先生、布施谷信子先生、音楽協会の先生方、応援して下さる方々のご支援の賜物と感謝しております。
今後も精進してまいりますのでご指導のほどよろしくお願い致します。
                              


令和5年度函館音楽協会春季定期演奏会
令和4年度函館音楽協会賞受賞記念演奏会

日時:令和5年5月28日(日) 12時30分開場 13時00分開演
会場:函館市芸術ホール 
チケット:一般1000円 学生500円(中学生以下無料)
チケット取扱:函館市芸術ホール
      ㈱河合楽器製作所函館ショップ
お問合せ:080-6859-8462

後援
函館市 函館市教育委員会 公益財団法人函館市文化・スポーツ振興財団
函館市文化団体協議会 (株)河合楽器製作所函館ショップ
(株)ヤマハミュージックリテイリング函館店 北海道新聞函館支社 函館新聞社
NHK函館放送局 FMいるか NCV函館センター


◆ 演奏曲目 ◆

I 3声のソナタ   J. マッテゾン
 
 オークリコーダーアンサンブル
 アルトリコーダー 岡部 浩美  アルトリコーダー 家永智沙子※  アルトリコーダー 木田なつみ※

II Amore e morte   G.ドニゼッティ
 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より ありがとう、愛する友よ   G.ヴェルディ
 
 ソプラノ 鈴木 亜衣  ピアノ 後町 久子

III 「十人委員会の崩壊」より もし貴方が私の死の栄光を   A. スカルラッティ
   「6つのアリエッタ」より どうか喜びで満たしてあげてください   V. ベッリーニ
  「6つロマンツァ」より あぁ、憐れみを、おぉ 悲しみの聖母様   G.ヴェルディ
 
  ソプラノ 山 栄理子  ピアノ 紺野 朋美※

IV 10 の前奏曲 Op.23-4   S.ラフマニノフ
   ヴォカリーズ Op.34 No.14   S.ラフマニノフ

  ピアノ 佐々木由美子

V  マズルカ Op.68-4   F. ショパン
  幻想即興曲 Op.66   F. ショパン

  ピアノ 太田 絵里

VI  シシリエンヌとビュルレスク   A. カゼッラ

  フルート 水上 知歩   ピアノ 櫻田佳緒莉※

VII 2本のリコーダーと通奏低音のためのトリオソナタ (イントロドュツィオーネ ハ長調) G. テレマン

  フィオリムジカーリ
  リコーダー1 宍戸 良子  リコーダー2 下村美智子※ チェンバロ 長澤 雅子※  チェロ 佐藤 直※

VIII Cantus omnibus unus  坂本龍一
   Dona nobis pacem   松下 耕

  アンサンブル・モジェ
  五島明子 桜庭 恵※ 辻 真紀子 若佐英子 畑中佳子 堀川智美 桃井亜紀子※ 明戸泰子※ 井上真理※ 成田 牧※ 渡辺淳子※

IX はなやぐ朝   中田喜直
  Parla!   L. アルディーティ

  ソプラノ 髙神 麻由  ピアノ 伊藤亜希子

XI 幻想曲「さくら さくら」   平井康三郎
  小泉八雲の怪談によるバラードより ろくろ首   P. ノルドグレン

  ピアノ 堀内由美子

XII 8つの演奏会用エチュード Op.40 より No.4,No.5,No.7   N. カプースチン

  ピアノ 畑中 一映

令和4年度函館音楽協会賞 受賞記念演奏

I  ラプソディ・イン・ブルー  G.ガーシュウィン

  ピアノ 久保 悦子 マリンバ 市川須磨子

II ピアノ三重奏曲 ニ短調Op.27「バラード風」 V.ノヴァーク

  ピアノ 寺井 かえ  ヴァイオリン 寺井 琴美※  チェロ 藤田 淳子※

※賛助出演