函館音楽協会賞および奨励賞 受賞者決定について

函館音楽協会(会員113名)は、令和6年12月5日午後7時30分より、函館市芸術ホール会議室に於いて選考委員会を開催し、令和6年度函館音楽協会賞受賞者を決定しましたので発表いたします。
令和6年度の受賞者は次のとおりです。


函館音楽協会賞(第35回) 
 畑中 一映  54歳 : ピアノ
 三笠 裕也  44歳 : 音楽教育、指揮
 女声コーラス トリル  : 合唱
函館音楽協会奨励賞(第61回) 
 該当者 なし


両賞は,函館市及び隣接市町に在住する個人並びに団体を対象に、毎年前年12月1日から11月30日までの1年間の活動を対象として選考されます。協会賞は過去からの実績の蓄積、および当該年度中における郷土の音楽文化向上推進への特段の功績が認められる事業、あるいは活動した個人や団体に授賞します。奨励賞は当該年度中に作曲並び演奏活動において、意欲的且つ、特筆すべき高水準の実績を示し、郷土の音楽活動の推進力となった個人又は団体に対して授賞します。
表彰式は令和7年1月26日(日)午前11時30分より五島軒にて行われ、受賞者には賞状と記念品が授与されます。また,受賞者は5月25日(日)開催の春季定期演奏会(函館音楽協会主催 於:函館市芸術ホール)において受賞記念演奏を行う予定です。

令和6年度 函館音楽協会選考委員会委員
委員長   会 長  石 丸 典 子
委 員   評議員  市 川 須磨子
委 員   評議員  佐々木 茂
委 員   評議員  宍 戸 雄 一
委 員   副会長  島 聖 子
委 員   副会長  伊 藤 亜希子
令和6年度委嘱委員  橋 本 公 志(会員)
令和6年度委嘱委員  寺 井 か え(会員)   以上8名


ファイル
◇ プレスリリース〈PDF〉
◇ 受賞者写真: 畑中一映  三笠裕也  女声コーラス トリル


授賞事由

函館音楽協会賞   畑中 一映 (はたなか かずてる) : ピアノ

氏は、当協会の定期演奏会を始めとし、2012年ショパン国際ピアノコンクールin Asiaで優勝するなど、ピアニストとして意欲的な演奏活動をとおして高い評価を得てきた。
また、合唱の分野においても、ヴォーカルアンサンブル ノインを立ち上げると共に、令和6年10月、全日本合唱コンクール函館大会において指揮者として函館MB混声合唱団を銀賞受賞に導いた。併せて、同年創立30年100回目の記念演奏会にて活動を終了した若手音楽家の集団「クレアシオン」の代表も2007年より務めてきた。
これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として、高く評価される。

函館音楽協会賞   三笠 裕也(みかさ ゆうや) : 音楽教育、指揮

氏は、長年にわたる小・中学校教諭として音楽科の学習指導に優れた実践を重ね、その成果を広く普及し音楽教育の質の向上に尽くした実績が高く評価され、令和2年北海道教育実践表彰、令和3年には文部科学大臣賞を受賞している。
また、吹奏楽においても、これまでに勤務した小・中学校の吹奏楽部を次々と全国大会に導くと共に、北海道教育大学函館校吹奏楽団常任指揮者、音楽監督として幾度も全国大会出場を果たし、優れた指導者として認められている。
これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として、高く評価される。

函館音楽協会賞   女声コーラス トリル : 合唱

昭和63年に発足した女声コーラス トリルは、これまでの集大成として令和6年2月に創立35周年記念演奏会を開催し、ピアノ五重奏と女声合唱による新しい作品に挑戦し、絵画でいうコラージュのような珍しい作品に仕上げ、高評価を得た。 また、これまで全日本合唱コンクール北海道支部大会にて金賞7回、銀賞15回受賞、北海道代表として全国大会に4回出場し、銅賞を4回受賞するなどの実績を重ね、その積極的な活動によって常に函館の合唱界をリードしてきた。
これらの活動は、郷土の音楽文化向上推進への大きな功績として、高く評価される。


受賞者プロフィール資料

函館音楽協会賞  
畑中 一映 (はたなか かずてる) : ピアノ

道南松前町生まれ。幼少時よりピアノを、小学校から合唱を始め、多くの良き指導者、メンバーに恵まれ音楽活動を継続している。北大在学中オーディションに合格し札幌交響楽団とリストピアノ協奏曲第2番共演の他、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番(帯広交響楽団)、シューマンピアノ協奏曲(北海道交響楽団)共演。ショパン国際ピアノコンクール in ASIAアマチュア部門アジア大会優勝、アマチュアのためのショパン国際ピアノコンクール(ワルシャワ)にて連続入賞を果たす。ヤン・エキエルピアノ公開レッスン、遠藤郁子ピアノ公開講座「ショパンの遺言」等出演。函館音楽協会奨励賞、函館市文化団体協議会青麒章等受賞。代表を務めた道南音楽家集団クレアシオンで函館音楽協会奨励賞及び函館市文化・スポーツ振興財団益田喜頓賞受賞、ヴォーカルアンサンブル・ノインで全日本合唱コンクール北海道支部大会金賞・朝日新聞社杯、函館音楽協会奨励賞受賞。現在、函館MB混声合唱団にて指揮を務め、令和6年度全日本合唱コンクール北海道支部大会にて銀賞受賞。上湯川小学校、戸倉中学校、函館中部高等学校を経て、北海道大学医学部、同大学院修了、国立がんセンター研究所中央病院リサーチレジデント終了、博士(医学)。北海道医学会賞、道南医学会医学研究奨励賞等受賞。現在、市立函館病院消化器内科科長、がんゲノム医療センター長、消化器がん薬物療法を専門とする。

函館音楽協会賞  
三笠 裕也 (みかさ ゆうや) : 音楽教育、指揮

余市町出身。北海道小樽潮陵高等学校、北海道教育大学函館校卒業。北海道教育大学大学院教育学研究科修了。
長年にわたり、小・中学校教諭として音楽科の学習指導に優れた実践を重ねて成果を広く普及し、音楽教育の質の向上に尽くした。生涯にわたって音楽に親しむ子どもを育成するため、効果的な授業改善に取り組み、その成果を専門紙や学会などに執筆・発表。また、文化庁文化芸術育成事業の企画・推進に携わり、東京フィルハーモニー交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、新国立劇場合唱団、京都片山家能楽、日本三曲協会などを招聘し、質の高い音楽を地域に普及させる中心的な役割を果たした。音楽教育の実践が評価され、令和2年度北海道教育実践表彰、令和3年度文部科学大臣表彰を受賞。
吹奏楽の指導において、勤務した小・中学校では、東日本学校吹奏楽大会で3回金賞、日本管楽合奏コンテスト全国大会で3回最優秀賞、2回審査員特別賞を受賞。北海道教育大学函館校吹奏楽団では、全日本吹奏楽コンクールに8回出場。同団の演奏会では、吹奏楽の芸術的価値を生み出すことを目指し、吹奏楽界で活躍する指揮者や作曲家を招聘し、作品の委嘱及び初演等を行うなど、吹奏楽の普及・発展に寄与している。
現在、北海道教育庁渡島教育局教育支援課義務教育指導班指導主事。北海道教育大学函館校吹奏楽団音楽監督・常任指揮者。

函館音楽協会賞  
女声コーラス トリル : 合唱

女声コーラス トリルは、昭和63年に発足。翌年(平成元年)から合唱祭をはじめ連盟行事に参加。これまで10回にわたり指揮者・声楽家・作曲家の指導を受け研鑚を積む。
当初から現代邦人作品の演奏に力を注ぎ、様々な演奏を試みてきた。平成3年より全日本合唱コンクールに参加。全道大会で金賞4回、北海道代表3回、銀賞15回など実績をあげ、NHK「BS日本の歌」では2度にわたり歌手のバックコーラスで出演、連盟の行事には欠かさず参加し函館の合唱界を支えてきた。
また弦楽と合唱とのコラボ作品にも力を入れ、単独演奏会ではミサ曲やルネサンスの曲等ほぼ毎回取り組んできた。
令和6年2月の創立35周年記念演奏会では、これに、ピアノ五重奏と女声合唱による「いのりカンタービレ」により新しい音色の世界を表現した。