2010 新年のご挨拶

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函館音楽協会会長
吉田淳子

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年の函館は、開港150周年をお祝いし、賑やかな一年でした。函館音楽協会も、ジュニアコンサート開催50回を迎え、記念すべき年となりました。4月の役員改選に伴い、新体制で臨んだ2009年の活動は、手探りの状況ではありましたが、会員の皆様のご協力のお陰で、つつがなく遂行する事が出来ました。厚くお礼を申し上げます。
今年74周年を迎える当協会は、過去最高の会員数140名を超えるまでに発展してまいりました。函館及び近郊の音楽文化を支える大きな柱になっている当協会は、現在ではなくてはならない確固たる存在となりました。会員の中に函館の枠を超えた優れた演奏家や指導者が多数いらっしゃることもその大きな要因ではありますが、やはり永く地道に活動を支えられたすべての会員の団結の一言に尽きると思います。これからも、心を合わせて函館の音楽芸術を育むお手伝いが出来たらと切に思います。
昨年私は、洋の東西が見事に調和する元町の、函館ハリストス正教会でのコンサート準備に立ち合った際、大変驚く体験をしました。それは、司祭様より、ロシア正教では「アヴェ・マリア」は歌わないので演奏しないでほしいとの要望があったことです。仏壇と神棚がある環境に住む私にとりましては、「何故?」の一言でした。詳しい説明をいただき一応理解はしましたが、それまでの私にとっての「アヴェ・マリア」は宗教音楽の定番でしたので、かなりショッキングなことでした。しかし、世界の様々な宗教の歴史と文化が織りなす真実を、肌で感じることが出来た事は、函館に住んでいるからこそと、新鮮な感動を覚えました。
この素晴らしい環境に改めて感謝をしつつ、会員の皆様がより豊かな音楽活動が出来る一年になりますよう、心よりお祈りするとともに、当協会にとりましても実り多い一年になりますよう変わらぬお力添えをお願い申し上げます。