2010年 函館音楽協会 表彰式・新年会

 平成21年度函館音楽協会協会賞・奨励賞表彰式、平成20年度日本教育音楽協会音楽教育功労者表彰、平成21年度函館市文化賞、平成21年度(財)函館市文化・スポーツ振興財団益田喜頓賞、平成21年度函館市文化団体協議会青麒章報告及び函館音楽協会新年会が、2010年1月23日(土)午後6時から五島軒本館王朝の間において、函館市文化団体協議会副会長 武内叶山様をはじめ、たくさんのご来賓の方々のご臨席を賜り開催されました。
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はじめに協会賞・奨励賞表彰式が行われ、中島眞之副会長より受賞理由及び受賞者の紹介、吉田淳子会長より賞状と副賞が授与されました。ご来賓の函館市文化団体協議会副会長 武山叶山様、(財)函館市文化・スポーツ振興財団専務理事 池田英治様よりご祝辞を頂いた後、協会賞受賞された市川須磨子氏、函館市民オペラの会様、奨励賞受賞された森洋子氏、高実希子氏より謝辞がありました。次に寺中哲二氏が音楽教育功労者表彰、中島眞之氏が函館市文化賞受賞、宮崎加奈古氏が益田喜頓賞、佐藤朋子氏が青麒章を受章されたことについて吉田淳子会長よりご報告がありました。
 続いて新年会が行われ、吉田淳子会長の挨拶後、函館市教育委員会生涯学習部文化振興課課長 堀田三千代様より新年のご挨拶を賜りました。次に乾杯のご発声を(株)函館新聞社専務取締役 浅井厚史様より頂き、華やかに新年の宴が開始されました。続いて祝賀演奏が行われ、畑野祥子氏のソプラノ、伊藤亜希子氏のピアノによるヨハン・シュトラウス作曲「春の声」が華やかに演奏されました。会食中にはご来賓の方々のスピーチやビンゴゲームなどで盛り上がりました。最後に滝廉太郎の「花」を大坂吉明氏の指揮と後町久子氏のピアノ伴奏により出席者全員で合唱した後、しめの乾杯のご発声を函館合唱連盟理事長 大坂吉明様よりいただき、盛況のうちに会を終了することが出来ました。
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市川須磨子(協会賞受賞)
 この度、栄えある協会賞を受賞させていただき、身に余る光栄と心から御礼申し上げます。
 素朴な音色のマリンバに魅了され続けて、早、半世紀が経ってしまいました。
 当初マリンバは、楽器としての認知度が低く、また確立された技術や指導法も殆ど無く、まさに「発展途上」の楽器でした。
 子供達を教え始めた頃には、出版楽譜などはほとんど無い状態で、発表会などの際には、手書きで譜面を書いて子ども達とアンサンブルをしたものでした。現在では、多くの指導書や曲集が出版され、楽器そのものも優れたコンサートマリンバが開発されて、マリンバ音楽は、ハード・ソフト両面で急激な高度成長を成し遂げました。
 このようなマリンバ環境の中で、私は、迷ったり悩んだりする暇もないほど、しゃにむに演奏活動に取り組みましたが、そのために私の視野はずいぶん狭くなっていたと思います。
 函館音楽協会には、演奏活動を始めると同時に入会させていただきました。在籍40年の中で、春季・秋季定期演奏会などでの発表をはじめ、幹事・副会長・会長として18年間を運営に係わらせていただきました。会にとってはあまりお役にたてなかったと申し訳なく思いますが、特に会長職の6年間は、狭い視野と乏しい知識しか持ち合わせなかった私にとって、他面にわたり貴重な経験と多くの勉強をさせていただき、今あらためて心から感謝を申し上げたく思っております。
 今回の受賞につきましては、私がマリンバに取り組んできた‘時間’へのご褒美と受け止めておりますが、時間を積むということは、それなりの大きな責任を伴うということをあらためて認識し、これからは今以上に責任を持って活動しなければならないと肝に銘じております。
 今後は、音楽協会をはじめお世話になった皆様にご恩返しをするべく、心して活動して参りたいと思っております。さらには、これまでと違う立場からも、函館の音楽文化振興へ微力ながらもお役に立てるよう努力して参りたく思っております。
 皆様には一層のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
函館市民オペラの会(協会賞受賞)
 
函館市民オペラが誕生して今年で二十年。この節目の年に、函館音楽協会賞をいただき、会員一同感謝の気持ちでいっぱいであります。
 思えば平成三年、二年間の準備を経て、第一回「カルメン」上演。あの舞台が、歌声がよみがえってまいります。それから毎年、グランドオペラへの挑戦が始まりました。第十六回公演「カルメン」の再演以外は新しいオペラに取り組み、本公演では十七演目、十八公演を開催いたしました。これら以外にも、地方での公演と新人育成を主眼としたオペラ研究室公演で四演目、ガラコンサートも開催いたしました。平成十二年度には、北海道地域文化選奨特別賞もいただきました。
 しかし、この間、すべて順調に事業が進行したわけではありませんでした。第六回公演までは、函館市文化・スポーツ振興財団から多大なるご援助をいただきましたが、その後は自立した運営となり、現在に至っております。資金、出演者の確保、舞台装置、衣裳、小道具、メイク…様々な難関にぶつかる度に、皆様のご助力をいただき、一つひとつ乗り越えて進んでまいりました。人と人のつながりこそが、当会の生命線なのであります。
 今年は十九回目の公演、今回の受賞に恥じない公演にしたいと決意を新たにしております。
 最後になりましたが、ご選考いただいた皆様に会員一同心から感謝を述べるとともに、これからもよい公演ができます事こそが、受賞に報いることになると信じております。ありがとうございました。
森 洋子(奨励賞受賞)
このたび、2009年度奨励賞に選ばれ、光栄に存じます。
私には全く思いがけないことでしたので、とても驚きましたし、同時に大きな励ましに感じました。
 定期演奏会での演奏にご高評いただいたということで、まずは、アンサンブルでご共演くださった皆様に感謝したく思います。
 私は4年前に函館に移って以来、チェンバロやバロック音楽を皆さんに広く知っていただきたいと思う一方、実際には「自分の活動」をいかに拡げてゆくかということしか頭にありませんでした。幸いに、多くの方々にお支えをいただき、量的にも内容的にも充実した演奏の場を与えられて参りました。
ただ、そんな中で余裕を失い、ご迷惑をおかけしたことも少なくなかったと思います。
 今回、奨励賞をいただいたことで、私の演奏活動が自分の中の事柄にとどまらず、聴衆の方々、またご支援くださる方々のあいだにこそ、成り立つのだと改めて感じさせられております。そして、このような思いにさせていただけたことを幸いに思い感謝しております。
 至らぬ所の多い者ですが、一歩ずつでも精進し成長して参りたいと存じます。今後共どうぞよろしくお願い致します。
高 実希子(奨励賞受賞)
この度は平成21年度函館音楽協会奨励賞を頂き、大変嬉しく、又大変光栄に思います。
改めて、今回この賞に関わってくださいました協会の皆様に深く感謝申し上げる次第です。
音楽の勉強のため、東京での高校、大学生活、そして4年間のフランス留学を終え、平成20年11月に函館に戻り、函館を拠点に生活を始めて1年が過ぎ、その間無我夢中で音楽中心の毎日を過ごして参りました。学生の頃とは違う生活のサイクル、又、「音楽」に対する姿勢について深く考えさせられたり、改めて自分の今いる位置を示される場を頂いたり、厳しくも充実した一年でしたが、いつも温かく見守って下さる故郷函館の皆様の応援、ハートの温かさは、やはりこの函館でなければ感じることが出来ない、と確信しております。
音楽家としてはまだスタート地点に立ったばかりですが、ただ突っ走って来た私を温かく迎えてくださり、結果このような賞を頂けたことは本当に幸せなことです。
函館により良い音楽を届けるために、また成長した姿を胸を張ってお見せ出来るよう、今年も全力で音楽を楽しみたいと思います!
この度は、本当に有難うございました。

函館市文化芸術協議会 青麒章受賞に寄せて
佐藤朋子

 この度は、平成21年度函館市文化芸術協議会青麒章という大変名誉ある賞をいただきまして、心より深く感謝申し上げます。このような立派な賞をいただけるなどとは思いもよらず、恐縮のかぎりではございますが、これもひとえに、これまで私の演奏活動を応援し、支えてきてくださった皆様のお蔭と大変ありがたく感じております。
 平成21年度は私にとりまして、多くの方々にご支援を賜りました《ソロ活動10周年記念リサイタル》をはじめ、音楽協会主催の懐かしい《ジュニア・コンサート》でのゲスト出演、《秋季定期演奏会》でのアンサンブル演奏等、数々の意義深い演奏を重ねることができた年となりました。しかしながら、函館という文化芸術に溢れた街におきましても、声楽、ことにオペラに関しましては、何か難しいもの、なかなか理解できないものという認識のもと、まだまだ市民の皆様には浸透していない分野であることを痛切に感じます。クラシック音楽も徐々に一般の方々にもわかりやすく、親しみ深いものであるという活動が広がりつつあります。私も一表現者として、この賞を励みに、より一層多くの方々に音楽の持つ楽しさ、奥深さ、素晴らしさを伝えられるよう、日々研鑽を積み、精進してまいりたいと存じます。