2013 函館音楽協会 表彰式・新年会

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平成24年度函館音楽協会協会賞・奨励賞表彰式、平成24年度音楽教育功労賞及び函館市文化団体協議会青麒章受章報告、並びに函館音楽協会新年会が平成25年1月26日(土)午後6時より五島軒本店王朝の間において、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り開催されました。はじめに協会賞・奨励賞表彰式が行われ、中島眞之副会長より受賞事由及び受賞者の紹介、吉田淳子会長より賞状と副賞が授与されました。ご来賓の函館市教育委員会生涯学習部次長坂野昌治様、(財)函館市文化・スポーツ振興財団専務理事森武様よりご祝辞を頂いた後、協会賞を受賞された石丸典子氏、伊藤亜希子氏、奨励賞を受賞された中田久美子氏、増田朗子氏、類家唯氏より謝辞がありました。次に佐々木茂氏が音楽教育功労賞を受賞されたこと、畑中一映氏が青麒章を受章されたことについて吉田淳子会長よりご報告がありました。
 続いて新年会が行われ、宮崎敏副会長の挨拶後、函館合唱連盟理事長大坂吉明様より新年のご挨拶を賜りました。次に乾杯のご発声を函館地区吹奏楽連盟理事長工藤一之氏より頂き、新年の宴が開始されました。続いてソプラノ堀川智美氏とピアノ畑中佳子氏による祝賀演奏が行われ、信時潔作曲「沙羅」より『北秋の』、團伊玖磨作曲「五つの断章」より『希望』『舟唄』が華やかに演奏されました。最後に信田誠氏の指揮と武井佳子氏のピアノ伴奏により出席者全員で滝廉太郎作曲「花」を合唱した後、締めの乾杯のご発声を函館市文化団体協議会事務局長阿部哲治様より頂き、盛況のうちに会を終了いたしました。
 函館音楽協会協会賞・奨励賞受賞の方々よりお喜びの声をきかせていただきました。




●協会賞を受賞して                                 石丸 典子
この度は光栄な賞をありがとうございました。
この賞の重みは未だ実感しておりませんが、各方面の方々から祝福のお言葉とたくさんの力強い励ましをいただき、とても嬉しく思っております。
 振り返ってみますと、20代の頃の私は本当に歌が下手でした。当時の演奏記録も持っていますが、我ながらとても最後まで聴けないほどのレベルです。そんな私にも市民オペラや第九をはじめ、皆様はいろいろな場面で歌う機会を与えてくださいました。その都度、もっと上手くなりたい、という気持ち一つで勉強して参りました。今こうして何とか鑑賞に耐えうる演奏が出来るようになったのは、この函館の地に育てていただいたお陰と思っております。
 函館音楽協会に入会して今年で27年目を迎えます。幹事としてカリヨン、新人演奏会、ジュニアコンサート、秋季定期演奏会を担当し、沢山の事を学ばせていただきました。中でも、青島広志氏をお招きしての秋定で会場いっぱいのお客様をお迎えした時の喜びと興奮は今でも忘れられません。
 1月中旬、TV「題名のない音楽会」でイタリアのヴェルディハウスに住む80歳のソプラノのドキュメンタリーを観ました。日本人留学生にレッスンしているその声の若々しさに驚きました。番組の最後にコンサートで「椿姫」のアリアを歌っていましたが、自然な表情と理想的な発声・・・歌い手は演奏家としての寿命は短い、と思い込んでいた心に一筋の明るい光が差し込んだ思いがしました。
 これからも健康を維持しながら、いろんな舞台芸術に触れて常に自分の感性を磨き、聴いてくださる方の心に響くような歌を歌えるよう精進して参りますので、今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
●感謝の気持ちを音に込めて                            
伊藤 亜希子
故郷の函館に戻って活動を始めた時に奨励賞をいただき、それから16年の月日が流れ、今回、過去の受賞者ということで選考委員を仰せつかりまして、昨年末の選考委員会に出席いたしました。
協会賞候補に私の名前が推薦された時には、その年度の担当委員が受賞することは無いものだと思っておりましたので、心の底から驚き、戸惑いました。しかし、ご出席の先生方から、過去にも選考委員の方が受賞された例があるので問題無いとおっしゃっていただき、私のような若輩者には身に余る大きな賞ではございましたが、お言葉に甘えて、ありがたくお受けすることにいたしました。
 1999年に開始した後援会主催による芸術ホールでのリサイタルの継続と、生のクラシック音楽に触れる機会の少ない子供たちに演奏をプレゼントとして届ける目的で、後援会が全ての費用を負担して2001年から続けている『子どもたちへの贈りものシリーズ』、その他、老人ホームや障がいを持つ方々の施設で行っているボランティアのコンサートや、東日本大震災復興支援『コンセール・ドゥ・ソリダリテ』等の活動をご評価いただきましたが、これらを続けることができておりますのは、長くご支援をくださっている周りの方々のお陰です。また、趣旨に賛同して共演してくださっている演奏家の皆様にも、この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。
ステージ上でライトを浴びるのは演奏者だけですが、それを陰で支えてくださる多くの方々、そして、同じ時間を共有するためにお越しくださるお客様の存在があるからこそ、1つのコンサートが成り立っているということ。このことを常に忘れず、感謝の気持ちを音に込めて、これからも活動を行ってまいりたいと存じます。今後とも、よろしくお願いいたします。


●奨励賞に寄せて                                
増田 朗子
この度、2012年3月11日のソロ活動20周年記念リサイタルとこれまでの作品への取り組みに対し函館音楽協会奨励賞をいただき、心より感謝申し上げます。
函館に戻ってからの20年、地域の皆様に育てていただいたことに対し、何かお返ししたい、函館に関する作品を残したいとの思いから、函館ゆかりの石川啄木の短歌に曲をつけていただくことを数年前より佐々木茂先生にお願いしておりました。そうして一昨年、完成したのが“忘れがたき人々(五首)”です。リサイタルは、偶然にも東日本大震災のちょうど1年後にあたる日でしたが、あえて追悼演奏会とはせず、岩手県出身である啄木の作品を通して被災地に想いを寄せていただけたらとの願いを込めて歌いました。北海道西南沖地震追悼式典にてやはり佐々木先生作曲の「憶えていてください」を歌わせていただき、今回は東日本大震災の一年後に啄木作品を歌わせていただくという巡り合わせに、「何か使命を感じるね」と仰った佐々木先生の言葉が強烈に思い出されます。今なお被災地では復興活動が続き、函館もまた原発問題に苦しんでいます。そうした中で、震災の年に生まれ、1年後に初演されたこの作品は、平和な日々を願う役割を担っているように感じています。この歌が多くの人に親しまれるよう願っています。そして、これらの活動が受賞に結びついたことを大きな励みとして、これからも歌を通して多くのメッセージを伝えていきたいと思います。
●受賞に寄せて                                      
                                            中田 久美子
 
この度、皆様のご指導と温かい応援をいただきましたおかげで、私のような者が名誉ある賞をいただく事になりました。本当に心から感謝を申し上げます。予想外の出来事にしばらくは実感出来ずにおりましたが、会員の皆様からも『おめでとう』とお声をかけていただきまして、本当に温かく嬉しく思っております。
 学生時代も、そして函館に帰ってきて社会人になってからも、周りには本当に素晴らしいピアニストがたくさんいらっしゃいました。その中で、自分が存在する意味を見つけるのは大変な事で、演奏を続けていく事に自信を無くした事は何度もありました。今の私が在るのは、本当に厳しくそして愛情をもってご指導くださった先生方、素晴らしい方々や仲間との出会いのおかげです。きっとこれからも悩んだり、時には失敗してしまう事もあるのかもしれませんが、色々な事に挑戦して、自分自身と戦いながら私らしい在り方を見つけて、大好きなピアノを弾き続けていきたいと思います。そして、こんな私でも必要とされる事があるのなら本当に幸せな事です。これからも1つ1つのご縁に感謝して、大切に取り組んでいきたいと思います。
 今後とも厳しいご指導、そして温かい応援をいただけましたら嬉しいです。
●謝辞                                      
                                              類家 唯
 この度は、函館音楽協会奨励賞をいただきまして、大変光栄に思っております。
 ドイツ留学から帰国し、早1年が経ちました。幼少の頃からお世話になった方々がいらっしゃるこの函館に戻って演奏活動ができる、またそういった機会をいただけるということは、本当に幸せなことだと思っております。
 昨年11月に行った第1回函館音楽祭では、財団の方々をはじめ、音楽協会員のみなさまには大変お世話になりました。また温かく見守ってくださり、ご指導くださった先生方や応援してくださるみなさまのおかげで、無事に開催することができました。
 この音楽祭は、ドイツに留学していたときから考えていたもので、函館の音楽文化のさらなる発展につながればと思い企画しました。企画に賛同し一緒に演奏してくださったみなさまに、感謝の気持ちでいっぱいです。
 今年の10月27日(日)には、第2回函館音楽祭を開催いたします。函館のみなさまに末永く楽しんでいただけるよう、これからも日々勉強し精進していきます。
 今後とも、みなさまのご指導とご鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
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