函館音楽協会セミナー 「イタリア古典歌曲」の誕生~19世紀におけるピアノ・ブームと古典歌曲~

 平成25年3月2日(土)10時~芸術ホールリハーサル室において、2012年度函館音楽協会セミナーが開催されました。今年度のセミナーは、昨年11月に改定出版された「イタリア歌曲集」の、解説を執筆された中巻寛子先生を講師としてお迎えし、「イタリア古典歌曲」の誕生―19世紀におけるピアノ・ブームと古典歌曲―をテーマについてのレクチュアーが開催されました。


イタリア古典歌曲は17世紀から18世紀にかけて作曲された、イタリア語の歌詞を持つ種々の声楽作品を、後世の音楽家たちがピアノ伴奏付の歌曲に編曲したものであり、作曲家によってどのように書き換えられているか、譜例にそって実際に先生が歌いながら解説されました。また、19世紀のヨーロッパでは音楽が庶民のレベルで娯楽となるにつれて、アマチュアが楽しんで演奏するために、魅力的な曲に書き換えられていったり、イタリア歌曲を勉強する時は、大きく手が加えられていることを承知して指導をしなければいけない事の他、先生が研究され、新たに発見されたおもしろいお話やイタリア古典歌曲が抱えてる諸問題など、知っているようで実はよく知られていない「イタリア古典歌曲」が理解できたとても有意義なセミナーでした。IMG_2259.JPGIMG_2260.JPGIMG_2266.JPG