2014年度音楽協会セミナーが終了しました。

DSCF25662014年度函館音楽協会セミナーは、型破りのベートーヴェン、その功罪~ バロック音楽の視点から見たベートーヴェン以降の音楽解釈 ~と題し、北海道教育大学函館校教授三澤寿喜氏を講師に、平成27年3月14日(土)13時~15時30分、北海道教育大学函館校多目的ホール(旧音楽棟)にて開催されました。当日は、27名の会員・一般市民が参加し、熱心に三澤先生の講義を聴きました。

三澤先生から講義メモを頂戴しました。当日に話されなかった内容を含めて、講義の概要が分かる貴重な資料です。こちらこちらよりダウンロードしてください。

—担当幹事から—

ヘンデルの研究家として高名な三澤先生が、3月末をもって大学を退官され、函館を離れる前にその研究成果の一端をご講演していただきました。

内容は、全体を通しバロック音楽の音楽文法に対しての「功」と「罪」を、前半は
バロック音楽の基本ルール7つについての説明。後半はそのルールに従って古典派・ロマン派を代表し、ベートーヴェン、ショパン、シューマンの作品を取り上げその違いを説明されました。

7つのルールの共通項はアクセントとアーティキュレーションで、例えば音価や倚
音,和音の種類、装飾音にはアクセントが付き、アーティキュレーションの付け方で音楽の表現が変わるなど。後半はピアニストの伊藤亜希子さんの演奏で、基本ルールから見て違和感のある部分を取り出し、楽譜通りとルールに従った演奏とを比較してその違いを鮮明にさせていました。普段と違うアクセントとアーティキュレーション。更にペダルの使い方に困惑しつつも、先生の意図をわかりやすく表現してくれた伊藤さんの演奏には驚嘆しました

昨今感性が優先するような演奏を聴くことがあります。このことが必ずしも悪いと
は言えませんが、楽譜をよく読み込み、作曲者や時代の様式としっかり向き合うことの大切さも感じることのできたセミナーでした。

1つ残念でもあり講師はじめ受講された方々に申し訳なかったことですが、暖房が入らず寒かったこと、この場を借りてお詫び申し上げます。暖房付きで会場を借用していたのですが、事務の方に来てもらいましたがダメでした。後日大学には電話を入れましたが・・・・・・。(担当幹事 宍戸)

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